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グラミー賞の最優秀MVを受賞した「This Is America」 その衝撃的な内容を解説

2/11(月) 13:09配信

ハフポスト日本版

銃への固執

「拳銃」の描かれ方も印象的だ。ガンビーノが銃を撃ったあと、その銃は人に手渡され、赤い布に包まれて丁重に扱われる。

この描写は、銃犯罪率が高いにも関わらず、銃を所持する権利を保護しようとするアメリカの意思を表しているとも解釈できる。

自殺

2分13秒ごろ、背景に男性が飛び降り自殺をするようなシーンが描かれている。しかしこの男性が飛び降りたことに、誰も注目しない。あるTwitterユーザーは、以下のように指摘している。

「飛び降り自殺をする男性に誰も注目しないような描き方をしているのは、ガンビーノのダンスが、アフリカ系アメリカ人の自殺とメンタルヘルスの問題が無視されている現状を思い起こさせる役割を担っているからではないか?」

チャールストンの黒人教会銃乱射事件

『This Is America』の中で特に衝撃的なのは、黒人教会のコーラス隊が乱射される場面だ。

この場面は、2015年6月17日、アメリカ・サウスカロライナ州チャールストンで起きたアフリカ系アメリカ人が通う教会での銃乱射事件がモチーフになっていると推測されている。

事件では、当時21歳だった白人のディラン・ルーフ死刑囚が、黒人の信徒が集まる「エマニュエル・アフリカン・メソジスト・エピスコパル教会」(通称「マザー・エマニュエル」)で銃を乱射し、礼拝中だった男女9人を殺害した。

あるTwitterユーザーは、同事件の犠牲者の写真とガンビーノの画像を並べて、こうツイートした。

「このシーンは、2015年に起きたチャールストンの教会銃撃事件を元にしているに違いない。アメリカではいかに銃乱射事件が“普通のこと“であるかを表している。それが礼拝所だったとしても」

警官による暴力、人種差別のバイラル動画

2分28秒ごろ、黒人の少年たちが、マスクをして携帯電話をいじっているシーンがある。

このシーンは、ネット上に動画が拡散するようになり、警官の暴力や人種差別的な行為が表沙汰にならず、隠されることがなくなった現代社会を表しているように見える。

TwitterユーザーのLKはこう指摘する。

「少年たちはスマホで目にしたものを撮影している。これは、警官の銃を使った暴行をライブ配信する世の中を表していて、真実を記録してシェアするという意味合いを持っていると思う」

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