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忘れられぬ親友亡くした日 被災の記憶語り継ぐ学生が講演

2/11(月) 22:04配信

カナロコ by 神奈川新聞

 巨大津波により多くの命が失われた東日本大震災からもうじき8年。被災当時に小学生だった宮城県東松島市の高校生と大学生が記憶を語り継ぐ講演会が20日、二宮町生涯学習センター「ラディアン」(同町二宮)で行われた。ともに親友を亡くした忘れられぬあの日-。助けることのできなかった命に「ずっと後悔してきた。同じ思いをする人を生みたくない」と、自分のできることを探し続けている。

【写真】被災の記憶語り継ぐ学生

 70人以上が参加した講演会に登壇したのは大学2年生の添田あみさん(20)と高校3年生の武山ひかるさん(18)。震災を体験した高校生、大学生らでつくる震災ガイドボランティア「TTT」のメンバーとして活動を続ける。

 2011年3月11日。2人が通っていた同市立大曲小学校は授業中だった。地面の底から蹴り上げられるような揺れが突然襲った。当時6年生だった添田さんはいったん自宅に帰ってから学校に避難すると、津波がすぐそこまで迫り、校舎の1階をのみ込んだ。グラウンドに大きな渦ができる光景を信じられない思いで見つめた。

 親友がその津波にのみ込まれて亡くなったのを知ったのは、3月末に延期された卒業式だった。「あの日帰る時に『バイバイ』と言って別れた。あの時、何か自分にできなかったか。ずっと悔やんでいる」

 小学4年生だった武山さんも津波で自宅が全壊し、仲の良い友人を亡くした。講演では被災時の状況より避難所運営のポイントについて具体例を挙げて多くの時間を割いた。「避難所のリーダーは誰からも目立ちやすい赤い服を着て。子どもも、何か自分たちでできることをやりたがっている。簡単な仕事でも任せてあげてほしい」-。

 実際に避難所で大人たちが苦労してきたことを自ら聞き直して勉強した。「被災体験だけ話しても、苦労したんだなという同情で終わってしまう。少しでも聞いた人に得るものがあれば」という思いからだ。

 記憶の風化にあらがおうと、現地でのガイドのほか、全国へ講演に飛び回る2人。くしくも同じ社会福祉士の夢を抱く。

 添田さんは言葉に力を込める。「震災で多くの人に支えられた。今度は自分が支える番。震災で見つけた夢がある。苦しかったけど震災はマイナスだけではなかった」。悲しみも後悔もある。それでも、この8年でそれぞれが見つけた答えに向かおうとしている。

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