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さよならリッピ! イタリア人名将が中国サッカーに残したものは?

2/11(月) 18:40配信

CNS(China News Service)

【CNS】中国サッカー代表監督を務めたマルチェロ・リッピ(Marcello Lippi)氏(71)は1月30日早朝、荷物をまとめ静かに空港を後にした。この3年間、リッピは数えきれないほどイタリアと中国を行き来した。しかし、次の再会はいつになるかわからない。

【写真】取材に応じることもなく去るリッピ監督

 監督就任から退任までの3年間、リッピの中国代表チームの戦績は30戦10勝11敗9引き分け。すでにW杯(2018 World Cup)出場が絶望的となっていたアジア最終予選からの監督就任、その後の国際大会では惨敗続きと紆余(うよ)曲折はあったが、今年、1月5日に開幕したアジアカップ(2019 AFC Asian Cup)では、近年では最高の成績を残した。リッピの在任した829日は、中国サッカーファンに多くの幸せと、残念な思い出を残しただろう。

 2016年10月11日、アジア最終予選でウズベキスタンに3敗目を喫した当時の高洪波(Gao Hongbo)監督は記者会見で辞任を表明。4戦して3敗1分、中国チームのロシアW杯の可能性は絶望的で、リッピが監督を引き継いだのはそんな状況下だった。

 その1か月後、リッピ率いる中国はカタールと引き分け。次節の韓国戦では過去31度の対戦で1度しか勝てなかった相手に7年ぶりに勝利するなど、W杯への望みが絶たれながらも、多くの中国サッカーファンは泥沼のような状態だったチームへのいちるの望みを抱き、リッピの手腕を大きく称賛した。

 アジアカップ開催前の中国チームも、下馬評としてはあまり期待されていなかった。しかしチームは予選を突破し、トーナメント1回戦ではタイに逆転勝利を収めて準々決勝へ進出するなど、リッピは名将として恥じない手腕を見せたが、次節のイラン戦では0-3と敗れ、中国チームはベスト8で終了した。敗戦後、リッピ監督は会見上で自身の退任を発表している。

 30戦10勝11敗9分けという成績は、決して際立ったものではないが、リッピは中国サッカーに戦績以外の大きな財産を十分に与えていた。

 中国サッカーファンにとって近年の中国サッカーは、批判と悲観的な感情の対象でしかなかった。そしてこのような環境下にある選手たちには、プレッシャーは並大抵ではなく、ピッチ上で充分に実力を発揮することも難しかっただろう。

 このイタリア人監督は、自身のやり方でチームを常に鼓舞し続けた。潜在的にリッピの影響を受けた中国チームの心理状態に大きな変化が見られ、それ以後のチームは、多くの状況で従来の、それ以上のパフォーマンスを発揮できるようになった。これはひとえにリッピの人心掌握術なしには成し得られなかっただろう。

 ■「選手に対し、いかなる感謝の気持ちもない」

 あるサッカーファンがリッピ監督を空港まで見送るという話に、リッピ本人は「必要ないよ」と応じたという。

 829日の任期を終え、2000万ユーロ(約25億円)の年俸をもらっていたとされるリッピ。そんなリッピが最後に残した言葉は、「選手に対し、いかなる感謝の気持ちもない」

 老将が寂しく中国から去っていく。リッピを持ってしても中国サッカーを大きく変えることはできなかったが、少なくともリッピは多くの人たちに希望を見せてくれた。結果として、その希望を裏切る形にもなったが、中国サッカーの未来はまだ長い道のりが続く。(c)CNS/JCM/AFPBB News

※この記事は、CNS(China News Service)のニュースをJCMが日本語訳したものです。CNSは1952年に設立された中華人民共和国の国営通信社です。

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