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タイの王女、党首相候補から一転取りやめに 国王が非難

2/11(月) 17:22配信

BBC News

タイの国家維持党は9日、ワチラロンコン国王の姉のウボンラット王女(67)の次期党首相候補としての擁立を取りやめた。国王が王室メンバーの政治的関与を非難する声明を発表し、これを受け入れた格好。

8日の出馬届け出からわずか1日での撤回となった。国家維持党は9日、「国王と王室の全てのメンバーに忠誠を込めて、国王の大命に」従うと述べ、王女の党首相候補としての擁立を取りやめると発表した。

国家維持党は、タイ政界で圧倒的勢力を持ったタクシン・シナワトラ元首相に近い政党のひとつ。2014年のクーデター以来続く軍事政権から民政に移管するため、3月24日に予定される総選挙に向けて、ウボンラット王女を同党の候補にするとしていた。

王女は故プミポン前国王の長女で、1972年にアメリカ人との結婚を機に王族の籍を離れ、アメリカへ移住した。離婚後にタイに戻り、王族としての活動に復帰した。

ソーシャルメディアでも活発で、タイ映画にたびたび主演している。3人の子供のうち1人は、2004年のスマトラ沖地震による津波で死亡した。他の2人はアメリカ在住。

タイ王室は表向きは政治に関与しないのが伝統で、女王の出馬は極めて異例だと注目されていた。

また、タイ王室は国民の崇敬を集め、批判されることもほとんどないだけに、選挙で王女と戦う対立候補がほかに出るかどうか疑問視されていた。

ワチラロンコン国王は8日、姉のウボンラット王女による前代未聞の政治的権力への立候補は不適切であると非難した。

王室の声明は、そのような行為は「国の文化に反する」としている。

タイの全てのテレビ局は、声明には「王女は王室の称号を放棄しているが、王女は地位を維持し、チャクリ王朝の一員として振る舞っている」と書かれていると報じている。

また、「王室の高位にある者の政治的関与は、いかなる方法にせよこの国の伝統、慣習および文化に反する行為であり、極めて不適切である」とし、君主国は政治的中立を維持するべきであるとの憲法の一節を引用した。

来月の投票は、タイが5年間の軍事政権下を経て、民主主義に戻る最初の機会として注目されている。

専門家によると、いずれにせよ国王の介入で選挙委員会が王女を失格にした可能性が高いと述べた。

一方で、軍事政権のプラユット暫定首相も8日、親軍政政党の首相候補になると発表した。

ウボンラット王女の反応この数時間前、ウボンラット王女は出馬への決断について弁解した。

インスタグラムの投稿で、王女は自身の全ての王室の称号を放棄し、現在は一般人として生活していると繰り返した。

首相に立候補することで一般市民としての権利を行使し、全てのタイ人の繁栄のためにあらゆる誠意と決意をもって取り組むとしている。

国王の声明の発表から間もなく、王女はインスタグラムに再び投稿した。今回の問題について直接の言及はなく、支持してくれたタイの人々への感謝を述べた上で、タイが「前進し、国際社会から称賛され受け入れられる」ことを望むと述べた。

(英語記事 Thai princess's party backs down on PM bid)

(c) BBC News

最終更新:2/11(月) 17:22
BBC News

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