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自然と国際社会を叡智で制す!『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI 嵐の訪れ』の魅力を余さず紹介する先行体験リポート

2/12(火) 0:02配信

ファミ通.com

文:カイゼルちくわ

戦争や蛮族よりも怖い? 自然災害の洗礼!

 2KとFiraxis Gamesより発売中の、PC用シミュレーションゲーム『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI』。その拡張パックの第2弾“嵐の訪れ”が、2019年2月14日(木)に発売となる


 拡張パック第1弾“文明の興亡”では、“同盟”の明確化、“総督”による都市発展の加速、“黄金時代”の恩恵など、プレイのしやすさと分かりやすさ、そして波に乗れたときの気持ちよさが、格段に向上した。


 正直に言うと、筆者は前の拡張パックが出たおかげで、平均睡眠時間が一時期は半分くらいになるほど本作に熱中した。マルチプレイがおもしろいのは当然として、シングルプレイでもまるでプレイヤーが操作しているかのように、他文明の指導者が個性的に振る舞う。そのため本作はシングルで遊ぶ際にも、外交などが楽しいのだ。特殊なシチュエーションで遊べるシナリオモードもあるため、ひとりで遊んでてもまったく飽きがこない。



 そんな筆者なので、2Kから先行プレイが可能な環境を提供していただいた直後、楽しみすぎていろんなチュートリアルをすっ飛ばし、“嵐の訪れ”をプレイし始めてしまった。以下、そんな体当たりプレイの結果何が起こったかを、赤裸々にお伝えしていこう。


 まずは『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI』の基本を再確認しよう。本作では、平地や山岳といったさまざまな地形のタイル(マップ上の六角形のマス)に、“都市”を築くところからすべてが始まる。都市は徐々に拡大していく領域を持っており、領域内のタイルから、“食料”や“生産力”といった資源を回収できるようになる。

 本作はリアルタイム進行ではなくターン制なので、タイルの情報をじっくり見極めて、都市を作る場所を見定めても問題ない。こうして時間をかけてプレイできるのが、初心者にはうれしいところだ。


 都市は食料を糧にして“市民”を増やし、タイルに配置することでそのタイルから資源を回収する(この辺の割り振りは自動でやってくれる)。また、各都市はひとつだけ生産ラインを持っており、さまざまなものを生産力を使って作ることができる。また、都市が持つ生産力が多ければ多いほど、生産完成までのターン数は短くなる。

 都市で生産できるものは、新たな都市を作るための“開拓者”や、タイルを改良し、より多くの資源を回収できるようにする“労働者”などのユニットのほか、領域内のタイルに新たな“区域”を作るなど、多岐に渡る。



 都市を増やし、改良して資源を得て、技術ツリーと社会制度ツリーを進めていくほどに、都市で生産できるものの種類や、得られるボーナスが増えていく。これをくり返して、ゲームに参加している他文明を何らかの形で圧倒すれば、勝利となるわけだ。

 このように分かりやすい本作なだけに、じつは序盤の定石もだいぶ決まっている。とりあえず周囲を最初からいる“戦士”に偵察させつつ、“投石兵”を作ってその辺の蛮族を倒したら“弓兵”にアップグレードする、といった感じだ。

 そして都市を置く位置も、“隣接ボーナス”があるため、だいたい川や湖といった水源タイルの隣となる。これも定石だ。今回もそうした。解説役の“助言者”が、何か言っていたような気がしたが……。



 あとはもう、パターンに入ったと言ってもいいだろう。このまま川の恵みにあやかって、新たな都市の増設と各都市の発展を続けつつ、他文明と状況に応じて付き合い方を変えていけばいいワケだ。



 よし、これであとは円満に文明発展を楽しむだけ!

 ……そんな風に、あのころは考えておりました。


 なんと、隣接ボーナス目当てにいろいろな施設を横に設置していた川が、突如まさかの氾濫を起こした。“嵐の訪れ”では、各地でこうした自然災害が発生するようになったのだ。


 そのあとも、自然災害はわりと高い頻度で我がカナダ文明を襲った。戦闘ユニットで追い払える蛮族などとは異なり、この被害は止めようがなく、一瞬で複数のタイルを破壊されてしまう。



 そんな自然災害の中でも一番驚いたのは、“火山”の噴火だ。別の文明でプレイしてみた際には、都市の領域内に入れると文化力などを大量に手に入れられる“自然遺産”のひとつである“ヴェスヴィオ山”を見つけ、喜んで近くに都市を作ってみたのだが……。


 先に説明した通り、川や山岳の隣接ボーナスは文明発展の鍵となる。だが、本作では自然災害が、そうした場所にこそやってくるわけだ。

 これはいままでの定石を外してでも、文明発展を遅らせてでも、自然災害から逃げろということなのだろうか……?


自然の猛威を制する、これが人類の技術力!

 このように恐ろしい自然災害だが、現実の歴史を紐解いてみれば、逃げてはいけないことが分かる。結局のところ大きな古代文明は、すべて川の隣で繁栄したのだ。

 本作でも自然災害は、破壊だけをもたらすものではない。氾濫や溶岩流に覆われたタイルには、食料などの追加資源が発生して、より豊かなタイルとなる。


 こうして原始農耕を行なうタイルが豊かになると、文明の発展スピードは目に見えて早くなった。修復の手間を考えても、十分おつりが出る。

 だが、文明が発展してきたら川や山岳の隣には農場以外の区域を置きたくなるため、さすがにそれ以上の自然災害被害は避けたくなる。そんな悩みを解決してくれるのが、“嵐の訪れ”で追加された新たな技術項目だ。


 また、技術の力は自然災害を防ぐだけではなく、本作ではより都市をパワーアップさせる要素に直結している。本作には新たな資源として“電力”が登場しており、これは発電所などを作らないと得られない人工の資源だ。


 石炭発電や石油発電、さらに後世の原子力発電には、それぞれ“石炭”や“石油”、“ウラン”といった資源が必要になる。“嵐の訪れ”ではこうした資源は貯蓄し、消費していくリソースに変更された。


 こうして見ると、技術の進歩によって本作での文明の発展はかなり加速したように見えるが、技術は同時に問題も起こす。資源は使っていくうちに枯渇し、さらにこうした燃料を使った発電は、大気中の二酸化炭素を増やしていく。そうして自然破壊が進むと、新たな、そして致命的な自然災害を招くことになるのだ。



 だが、こうした問題もまた、技術の力で避けることができる。二酸化炭素を生まないクリーンな発電方法だけでなく、21世紀の技術力は、海上都市などといったかつてない都市開発手段をプレイヤーに与えてくれる。


 また、いままではどうしようもなかった地形の問題も、技術力である程度解決できるようになった。通り抜け不可だった山岳タイルをトンネルなどの区域でスムーズに行き来したり、内地の湖や川と外洋をつなげる運河を作ったりと、より都市開発がしやすくなる要素が増えている。

 ほかにも“工兵”が交易路を鉄道に改良し、ユニットの行き来をスムーズにできたりと、文明発展を加速させる追加要素は多い。どれも分かりやすいが効果絶大なので、ぜひ試しつつ楽しんでみてほしい。


世界恒久平和のために! 新勝利条件“外交による勝利”

 『シヴィライゼーション』シリーズの魅力のひとつに、勝利条件の多彩さが挙げられる。ほかの都市をすべて武力で制圧する“制覇による勝利”だけでなく、文化を育て、世界中の観光客の大半を獲得する“文化による勝利”、技術を発展させて宇宙移民を成功させる“科学による勝利”、自文明が創始した宗教を世界の主流にする“宗教による勝利”と、4つの別々の勝利条件が用意されているのだ。

 “嵐の訪れ”では自然環境や新技術の導入のほかに、この勝利条件が新たにひとつ追加されるという、大きな変更が入っている。それが“外交による勝利”だ。


 まず、本作では“外交的支持”という新たな資源が追加されている。これは国際社会で自分の文明がいかに影響力を持つかを表すもので、他文明と同盟を結んだり、各地に点在する“都市国家”を代表団を通じて傘下に置いたりすることで、石油などの資源と同じく、毎ターン蓄積されていく。


 世界の年数がある程度進むと、一定ターン数(標準では30ターン)ごとに“世界会議”が開かれ、全文明の指導者が集められる。会議の場では、いくつかの決議が用意されており、各指導者は外交的支持ポイントを消費して決議に投票できる。

 形式的には一国が投じる一票なのだが、外交的支持を費やすことで、その一票の“重み”を増すことができるわけだ。


 さらに時代が進むと、この世界会議の議題の中に、“特定の文明が外交による勝利ポイントを得る”というものが追加される。この勝利ポイントが10点溜まると、その文明は世界をけん引するリーダーと認められ、その文明の“外交による勝利”が即座に決まるのだ。

 また、特定のスコアなどを次の世界会議までに競い合う、コンペ型の決議も出てくることがある。戦争を用いない平和的な手段で競うことができる、新たな戦いの場だ。


 外交による勝利を狙うには、ふだんから他国も有利になる同盟関係などを続けつつ、外交的支持をひたすら溜めこまないといけない。この勝利条件を狙わないなら、決議で外交的支持を消費し、自分の文明が目指す勝利条件に有利なボーナスを得てしまえばいい。外交的支持をいかに溜め、いかに使い分けるかが、“嵐の訪れ”では重要なファクターとなっている。


 また、国際社会に関するシステムでは、他文明に攻撃することで溜まり、あらゆる文明から敵視されるようになる“好戦性”システムが、“不平”システムという新たな要素に置き換わった。

 好戦性システムがあった以前の場合、たとえばこちらの都市が別文明に武力で奪われた際に、逆に武力でその都市を取り返した場合、この報復攻撃でも好戦性が高まり、他文明に敵視されるという理不尽な状況が発生していた。不平システムは、これを解決する新たなシステムだ。



 奇襲戦争などの国際社会的によろしくない行動をとった他文明に対して、自分の文明は“不平”のポイントを一定数得る。もし報復攻撃などをその文明に対して行なったとしても、まずはこの“不平”ポイントが減るだけで、別の文明からは「当然の行為だ」と見逃してもらえる。不平が溜まるとその分、その文明にやり返しても文句を言われない権利が得られるわけだ。

 この不平と外交的支持のポイントは、日ごろの外交の中でも上下していく。不平がいかに溜まっているかで、奇襲戦争などを仕掛けてくる可能性も計れるので、外交がかなりやりやすくなった。


新文明も非常に個性的! すべての勝利条件がおもしろくなった!

 さまざまな新システムが導入された“嵐の訪れ”だが、それに加えて新たな指導者が9名追加された。そのいずれもが、かつてないタイプの能力を持っており、新鮮なプレイ感覚を与えてくれる。

 以下に、各指導者の簡単な特徴と、使ってみての感想を書いていこう。

・イギリス/フランス文明 アキテーヌ女公アリエノール

 ひとりの指導者ながら、ふたつの文明ごとの異なる能力を発揮する。いずれの文明でも文化を育み、芸術作品で周囲の都市を自国に招き入れる能力を持ち、さらにイギリスの場合は工業と海運、フランスの場合は観光力と自衛力に優れる。いずれも文化勝利と並行して、別の勝利条件も狙いに行きやすかった。


・カナダ文明 ウィルフリッド・ローリエ

 先のプレイリポート内でも筆者が使っていた文明だが、奇襲戦争を受け付けず、また仕掛けることもできないという、平和的なプレイをするのに最適な能力を持つ。
 さらに文化力と観光力を大きくブーストでき、またふつうは不毛の大地扱いされるツンドラを活用できるため、他文明との領土衝突も避けられる。

・マオリ文明 クペ

 海洋民族の文明はこれまでにもいくつかあったが、マオリ文明はもっとも尖った海洋民族と言えるだろう。スタート時から船の技術を持ち、まずは最初の都市を建設する大陸を、海をさまよって見つけるところからゲームが始まる。
 最初からさまざまな大陸を目指せるほか、都市の防衛や自然のタイルの活用において、非常に優れた能力を持っている。



・スウェーデン文明 クリスティーナ

 筆者が“嵐の訪れ”で一番気に入った文明。偉人を招致するたびに外交的支持が得られたリ、文化面と技術面の両方で強力なブーストを持っていたりと、あらゆる勝利条件を狙える平和的文明だ。


・オスマン文明 スレイマン1世

 最近はシステム的にやりにくくなった、制覇による勝利を前提とした文明。占領した他文明の都市をより忠実に、より豊かにする能力を持ち、さらに占領都市を使って生産すると有利になる固有戦闘ユニットを持つ。都市が占領しやすく、また占領すればするほど強くなっていくという、制覇の申し子だ。



・フェニキア文明 ディードー

 首都がある大陸では沿岸部に新都市を設立しやすく、さらに首都を別の都市に移すことができるため、版図拡大がやりやすい。海洋活動や交易、ならびに太古時代の海戦力にも優れており、序盤で一気に都市を増やして勝負するタイプの文明だ。

・インカ文明 パチャクティ

 他文明と異なり、山岳タイルが生産力などを発生させるほか、山岳タイルの隣に農場の上位互換とも言える“棚畑”を作れる。さらに山岳タイルを一瞬で通り抜けるトンネルのような固有区域を作ることができ、山岳周辺では運搬や用兵においても強い。



・ハンガリー文明 マティアス・コルヴィヌス

 都市国家を支配し、その兵力を“徴用”で一定ターン数自分のものにすることでさらに支配を強め、軍隊も強化されるという、一風変わった戦闘型文明。さらに都心から川を挟んで反対側のタイルに作る建造物に、大きな生産力ボーナスがかかる。

・マリ文明 マンサ・ムーサ

 交易と商業に優れた能力を持ち、不毛なはずの砂漠タイルから特殊な隣接ボーナスを得られる文明。さらに宗教による勝利を目指す際にに必要な資源“信仰力”にもボーナスを持ち、信仰力をゴールドを得る手段に転用することもできる。宗教勝利に向いているのはもちろん、ゴールドも稼ぎまくれる文明だ。



 一通りの文明を浅く広くだがプレイさせてもらい、とくにおもしろいと感じたのは、いままであまり利用法がなかったツンドラや山岳、砂漠などを有効活用できる文明だ。また、文化勝利、科学勝利、宗教勝利といった平和的な勝利条件だけでなく、制覇勝利にも強い新文明がおり、外交的支持と不平の使い道の多彩さを実感させてくれる。

 また、文明の能力だけでなく、新技術や新社会体制も、科学勝利や文化勝利をバックアップしてくれている。制覇勝利については、過去シリーズに登場した“巨大戦闘ロボット”が戦闘ユニットとして復活したので、ロボット軍団で大陸を蹂躙することも不可能ではない。


 そもそも、科学勝利に関しては条件達成の方法が変わっており、文化勝利においても“ロックバンド”という、信仰力で購入可能な、大量の観光力を生み出すユニットが追加された。これまでとはひと味もふた味も違う、新たな『シヴィライゼーション』を楽しむことができるだろう。


 また、操作系統についても新たに“生産キュー”という、各都市の生産を前もって順番に登録しておける機能が追加されたため、かなり手間が減った。また、いままでは分かりづらかった隣接ボーナスの値が、“帝国レンズ”で各タイルに表示されるので、都市の開発計画を練る際にとても助かる。


 以上のように、自然の脅威とそれを制する新たな技術、そして新たな文明や勝利条件が加わったことで、『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI』はますます深くおもしろく、時間を忘れてプレイさせてくれるゲームとなった。

 とくに自然災害については、いつ、どこで起きるかが分からないため、定石に陥りやすかった序盤や終盤での、とてもいい刺激になっている。あと、長時間プレイしていても、災害のカットインが入ると一発で目が覚めた。



 前回の拡張パックに引き続き、今回もまったく新しい『シヴィライゼーション』の遊びかたを提供してくれる“嵐の訪れ”拡張パック。どの勝利条件を目指す場合でも、従来よりもおもしろくなっていること請け合いだ。ぜひこの自然と世界を相手に渡り合う楽しさを、自分好みの文明とともに味わってみてほしい。 




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最終更新:2/12(火) 15:44
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