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10年かけた極彩色の超絶技巧、悪趣味と言われた過去も… 三越本店の「天女像」が話題 由緒を女将に聞く

2/13(水) 7:00配信

withnews

 国の重要文化財にも指定されている日本橋三越本店の本館。その中にある「天女像」が、ネット上で注目を集めています。1960年に設置された高さ約11m、総重量6.8tの木彫り作品です。その由緒について、日本橋三越本店の「女将」に話を聞きました。

【画像】天女像の拡大画像はこちら。背面には計48羽の鳥が彫られていて、全高は吹き抜けの4階まで届く

ツイッターで話題に

 本館の中央ホール(レセプション)にあり、吹き抜けの4階まで達する大きさの天女像。先月末にツイッター上で紹介されて話題になりました。

 正面だけでなく、背面や側面の画像も投稿されていて、その迫力だけでなく細部の技巧まで確認できます。

 画像を見た人たちからは「神業」「余りの凄さに畏怖の念を抱きました」といったコメントが寄せられています。

女将に聞きました

 「この像が設置されたのは昭和35年(1960年)です。三越のお客様に対する基本理念『まごころ』を表現する像として、まごころ像とも呼ばれています」

 そう話すのは、日本橋三越本店「女将」の肩書を持つ近藤紀代子さん。毎月第2土曜日に実施している店内ツアーの案内役も務めています。

 天女像の作者は彫刻家の佐藤玄々。京都の妙心寺内にあるアトリエで、多くの弟子とともに完成させたそうです。

 株式会社三越の創立50周年記念として依頼しましたが、制作が進むにつれて玄々の思い入れは強くなり、完成したのは約10年後。制作費用は当時の金額で1億5千万円かかりました。

樹齢約500年のヒノキ使用

 天女が瑞雲に包まれて花芯に降り立つ姿を表現しており、京都・貴船神社山中の樹齢約500年のヒノキが使われています。

 「当時の木は今も保存してあって、修復の際に使っているんですよ」と近藤さん。

 2011年の東日本大震災が起こった際、天女像・本館ともに損傷はなかったそうです。

 「阪神・淡路大震災の後、大規模な地震があっても大丈夫なように、314個の免震装置を設置していたことが功を奏しました」

当初は「悪趣味」といった声も

 設置した当初は「イソギンチャクみたい」「悪趣味だ」といった声も寄せられたという天女像。

 約60年経った現在では、正面玄関のライオン像とともに日本橋三越本店のシンボルとして定着しています。

 「仕事前、必ず天女像にあいさつしている従業員もいます。『お客さまへのまごごろを忘れないように』との思いを込めているそうです」

 取材で訪れた日も、熱心に見入る人や、天女像のことについて店員に尋ねる人の姿がありました。

 ネット上で話題になったことについて、近藤さんはこう話します。

 「若い人たちの間で、自然発生的に広がったことがとてもうれしかったです。作品の力だと思います。今回のことをきっかけに、百貨店の楽しみ方をひとりでも多くの方に知っていただけるとうれしいです」

最終更新:2/13(水) 8:47
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