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ハイラックスの方向転換

2/12(火) 6:34配信

ITmedia ビジネスオンライン

 2018年11月。トヨタ自動車はハイラックスにZ“Black Rally Edition”を追加した。表向きはハイラックス誕生50周年記念モデルだが、筆者はもっと大きな意図を感じた。

1968年に登場した初代ハイラックス

国内販売終了の構図

 ハイラックスというクルマは、興味のある人とない人に大きく分かれるクルマだと思う。正直に言うと、筆者はかつてほとんど興味がなかった。従って、一昨年の試乗会に呼ばれるまで、あまり来し方を知らないでいたのだが、04年の第6世代モデルを最後に国内では販売されていなかった。それが一昨年13年ぶりに復活したのである。

 最大の理由は、国内の4ナンバー規定の車両寸法が、グローバルのそれとかい離していたからである。全長4m、全幅1.7m、高さ2mを超えると1ナンバーとなり保険や道路料金などの区分が上がって維持費が増える。

 問題は、これが日本固有の規定であることだ。海外ではどうかと言えば、この種のピックアップトラックは、現在ほとんどが全長5335mm、全幅1855mmとなっており、どのメーカーのクルマもほぼミリ単位で同じサイズ。フォード・レンジャー、いすゞDマックス、フォルクスワーゲン・アマロック、メルセデスベンツXクラスも皆このサイズになっている。それがピックアップトラックのグローバルスタンダードというわけだ。

 そうやって国内規格がグローバルなデファクトスタンダードと異なる状態で、ハイラックスをどっちに合わせるかと言えば、それはもう売れる方に合わせる他ない。

 しかもトヨタは02年からIMV(Innovative International Multi-purpose Vehicle)プロジェクトを始動した。為替変動や需要変動への耐性を強めるため、アジアを中心に部品生産を各国で分担して安定化させる価格低減プロジェクトだ。

 国や地域間で関税が無税になる取り決めがあることを利用し、そういうコストが掛からない範囲で、人件費をにらみつつインフラや教育レベルの高い国で部品を生産する。生産難易度の高い部品と低い部品では求められる技術水準が異なるのだから、それらの生産国を最適水準に合わせ込むことで原価低減と品質向上を同時に行える。ハイラックスは第7世代からこのIMV構想を取り入れ、タイで最終アッセンブリーされることになったのである。

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