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【インタビュー】祝・完結!『甘々と稲妻』雨隠ギド 「まるで親戚の子どもが増えたようでした」

2/12(火) 8:27配信

ねとらぼ

 妻を亡くし、ひとり娘のつむぎと暮らす高校教師・犬塚先生と、教え子の女子高生・小鳥の三人が一緒にご飯をつくって食べるお話『甘々と稲妻』。

【画像:最終巻にしてようやく3人が揃った第12巻の表紙】

 それぞれ悩みを抱えていた三人の周りにはいつしか個性豊かで優しい人たちがたくさん増え、「good!アフタヌーン」2019年1月号を持って約6年の連載を終えました。そして2019年2月7日、待望(でも、寂しくもある)の第12巻が発売になりました。

 完結後すぐに掲載された番外編や、さらにその後のストーリーを含む書き下ろしマンガなど、相変わらずつむぎちゃんにめろめろになり、賑やかで美味しそうな食事シーンにほっこりしつつも『甘々と稲妻』キャラとの別れが惜しくなる充実の内容です。

 コミスペでは今回、最終巻発売を記念して作者である雨隠ギド先生に連載を振り返っての想いを伺いました。雨隠先生にとって、『甘々と稲妻』という作品は何だったのか? 一つの区切りを迎えたいま、物語の始まりから振り返ります。

(取材・文:八木あゆみ/編集:八木光平)

まるで家庭の献立を組み立てるように、物語とメニューを決めていった

── まずは完結、おつかれさまでした。連載が終わったいまの率直な気持ちを教えてください。

雨隠ギド先生(以下、雨隠と敬称略):まずは終わってほっとしているのと、ここまではやりたいと思っていたところまでほぼ全部できたので、良かったという気持ちが強いですね。ただ、単行本が出るまでは実感が薄くて、わたしの中ではまだキャラクターが頑張ってくれている感じです。

 あと、週末に料理監修に入っていただいた調理師の帯刀陽さんとの打ち上げがあるんですが、めちゃくちゃ協力していただいて、本当に、本当に頭が下がると言いますか……。

── 毎号のストーリーとご飯は、どのような流れで決めていましたか?

雨隠:ストーリー先行で、この話にはこういうご飯が作りたいという視点と、単行本の一冊通しで見て、和食だけにならない、デザートが連続しないといったバランスは見ていました。

 それから、自分たちはこんな家庭料理を調べたけど、調理師さんの方で提案があるならお聞きしたいと、取材のようにやらせて頂いていました。調理師さんにはつむぎと同じくらいのお子さんがいらっしゃったので、つむぎに喜んでもらえそうなメニューという視点で意見を伺うこともありましたね。

── 雨隠先生も編集も調理師の方も、みんなが親のような目線でつむぎに何を食べてもらいたいかを考えているんですね。「洋食が続いたから今日は和食にしよう」と、まるでとある家庭の一週間の献立を見ているみたいです。

雨隠:なるほど確かに(笑)。つむぎが割と後半は何でも食べてくれる子になりましたけど、それは最初の方で苦手な食材も出して反応を見ていたからです。この子はこうしたほうが食べやすくて好きだよなぁといった意識が増えていったのかなと思います。

── これまで色々なジャンルを描かれている中で、女子高生と子どもとそのお父さんの3人がご飯を食べるというストーリーはどんな流れで決まりましたか?

雨隠:『甘々と稲妻』の前から担当編集さんとお付き合いがあり、「good!アフタヌーン」創刊のタイミングで声をかけていただきました。書きたいものは何だろうと話をした時に、こういうキャラを書きたいという話が盛り上がって……そこから始まりましたね。

 キャラとしてバラバラな3人をつなぐものが欲しくて、例えば部活や音楽など、3人にやって欲しい事をいくつか考えました。わたしが食べることが好きということもあって、最終的に料理をしてもらうことにしました。

── ご自身でもよく料理はされるんですか?

雨隠:あんまりしないんですよ、それが(笑)。食べることは大好きなんですけど……。レシピを見てつくれる気になって読まずにつくって、途中で出てくる謎の調理器具に慌てるタイプです。

担当編集:最初にお会いしたのは2008年ぐらいで。半年に一度くらい一緒にご飯に行っていたんですが、美味しいってリアクションがすごいんです(笑)。すごく美味しそうに食べますよね? 雨隠さん。

雨隠:(笑)恥ずかしい~!

担当編集:この人だったら調理シーンを美味しそうに書くだろうなあと興味がありました。わたしと雨隠さんと、もう一人の担当編集の中でも一番反応がいいし、些細なことでも反応が濃くて、材料にもすごく興味があるみたいなんです。それにわたしも食べることが好きなので、取材にかこつけて美味しいものを食べに行けるなんて下心も(笑)。

 あとは、社内の子供がいる編集者にインタビューもたくさんしました。娘さんの自慢話を浴びるように聞き、何が苦手だとかも伺いました。6話のピーマンの器でグレープフルーツジュースを飲むアイデアもパパ編集者に教えてもらいました。娘さんの動画を見せてもらって、子どもの動きを観察したりもしましたね。

── 作中の料理の難易度もどんどん上がっていきましたね。

雨隠:わたしたちも初心者なので、初心者目線を忘れないようにしようという話はしていましたね(笑)。

担当編集:魚をさばく回に向けて、みんなで調理師さんのお宅で一緒にさばいたのですが、素直な感想がマンガに活きていると思います。

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最終更新:2/12(火) 8:27
ねとらぼ

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