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ソ連のアフガン撤退30年 侵攻は「悪夢の始まり」

2/12(火) 20:32配信

産経新聞

 【ニューデリー=森浩】アフガニスタンに侵攻した旧ソ連軍の撤退が完了し、15日で30年になる。撤退後の内戦からイスラム原理主義勢力タリバンの政権奪取と崩壊、17年間にわたるアフガン戦争と混乱は続いている。米中枢同時テロを受けて軍部隊を派遣した米国は最近、駐留規模縮小を打ち出したものの、アフガンに平和は訪れていない。ソ連の侵攻と撤退は、混乱の萌芽(ほうが)だったともいえる。

 1979年12月から始まったソ連の侵攻によるアフガン国内での民間人の死者は100万人以上とされる。550万人以上が難民となり、隣国パキスタンやイランに流出。「世界の難民の半数はアフガン人」ともいわれる事態を招いた。

 89年2月のソ連軍撤退完了で、事態は収まるどころか混迷の度を深めた。ソ連に抵抗したムジャヒディン(イスラム聖戦士)間の主導権争いで内戦状態に突入した。ソ連が国内に残した大量の兵器や銃器が使用され、戦闘は激化。そうした中、マドラサ(イスラム神学校)の学生が中心となって94年に誕生したのがタリバンだ。

 その後、タリバン政権が樹立され、2001年の米中枢同時テロを契機としたアフガン戦争は今も続く。「ソ連の侵攻が悪夢の始まりと捉えている国民は少なくなく、反露感情は根強いものがある」と、カブール大のシャフラ・ファリド教授(政治学)は話す。

 ロシアはタリバン政権崩壊後は反タリバンで結集した軍閥「北部同盟」を支援した経緯もあるが、現在はイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)拡大の懸念でタリバンを支援する。英メディアはロシアが燃料を無償でタリバン関連企業に提供する形で援助していると報じた。

 現在のアフガンのガニ政権は、影響力拡大を狙って和平に介入するロシアに警戒心を抱くとされる。ただ、米国が昨年7月以来タリバンと直接対話を重ねる一方で、自らは交渉に参加できない現状にいらだちを募らせている。政治評論家のジア・ラヒムザイ氏は「タリバンとの橋渡しができるのなら、政府がロシアの力を頼る局面になる可能性もある」と分析している。

最終更新:2/12(火) 20:32
産経新聞

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