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170年ぶりの大工事、楼門の修復へ 熊本地震で被災の阿蘇神社

2/12(火) 9:35配信

西日本新聞

 熊本地震で被災した阿蘇神社(熊本県阿蘇市)は、国指定重要文化財6棟のうち神殿など5棟の修復をほぼ終え、4月から神社のシンボル、楼門の修復に乗り出す。江戸末期に造営されて以来、約170年ぶりの大工事には専門家や宮大工、建築業者がチームを組み、4年がかりの難プロジェクトに挑む。地震から間もなく2年10カ月。地震前の姿を取り戻そうと、熊本城をはじめ、各地で復興のつち音が響く。楼門修復の本格着工を控え、境内の一角では職人たちの地道な作業が進んでいる。

【写真】「押しつぶされるように倒壊した」地震直後の阿蘇神社の楼門

 作業チームを統括する文化財建造物保存技術協会(東京)の大川畑博文さん(49)によると、楼門は「上からちぎれ、押しつぶされるように倒壊した」。そこから約1万点もの部材を回収して番号を振り、修復して再利用するため、部材がどこに使われていたかを正確に特定する作業を続けてきた。「壮大なパズルを解くようだった」という。

 現在は屋根を支える垂木の修復、完了検査が進む。江戸時代の職人が墨で番号を記した杉材の損傷箇所は「平成二十九年度修補」などと記した真新しい材木で修繕した。出雲大社(島根県)の修復も手掛けた福井県の宮大工らが作業に当たっている。

 チームが最も頭を痛めているのは、2層の重い屋根を支える計22本の柱(直径40~50センチ、杉やケヤキ材)の修復方法。なるべくもともと使われていた材木を活用したいが、柱は接合部分を中心に激しく破断していた。柱の中心に新素材を挿入する技法を含め、複数案を検討中だ。

 2017年1月から部材の検証に取り組んできたが、感心するのは「当時の匠(たくみ)の技」と大川畑さんは言う。「接ぎ目の角度や二重構造で強度を巧みに保ち、柱も上部に向かうほど少し細くなっていて、見上げる景観にも配慮されていた」

 文化財修復では1995年の阪神大震災以降、耐震・免震補強も考慮されるようになった。建築工学に基づく「平成の匠の技」も求められている。

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最終更新:2/12(火) 9:35
西日本新聞

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