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“危機”という言葉には2つの意味がある。田端信太郎が語る「チャンスを生み出す謝罪術」

2/12(火) 12:01配信

新R25

社会人たるもの、謝るべきときには謝らなければならない。

とくにビジネスの現場にいると発生するのが「謝罪アポ」という憂鬱なイベント…。

今回は、数々の修羅場を乗り越えてきた(に違いない)ビジネスパーソンの田端信太郎さんに、「謝罪」について教えてもらいます。

〈聞き手:天野俊吉(新R25編集部)〉

天野:
最近、田端さんのことを「謝罪の仕方をよく知っている」と評価する声を複数の人から聞きました。

やはり大企業で何年もビジネスの現場にいると、お詫び訪問の経験も多いんでしょうか?
田端さん:
そりゃもう、何十回もあるよ。

たとえば『R25』(フリーマガジン時代。田端さんは広告営業を担当)のときなんて、まだ20代だったからわからないことだらけで、ミスばっかり。お詫びしまくりだよ。

天野:
たとえばどんなことが?

田端さん:
自分1人のミスってわけでもないけど、ある電器メーカーの広告が載っている向かいの記事ページに、「ライバルメーカーのHDDレコーダーがバカ売れ!」みたいな記事が載ってたと。

それで「クライアントへの配慮が足りない」「広告のマナーがわかってない」みたいなことで怒られるわけ。

そうなると、当時“三段活用”なんて言ってたんだけど、広告代理店の雑誌の部署、営業部署、そしてクライアントのところへ行って計3回謝らなきゃいけない(笑)。

天野:
相手も大企業だから、20代には相当しんどそうですね…

田端さん:
でもまあ、今思えば若いうちにそういう経験をできててよかったよ。

たくさん地雷を踏んでると、オッサンになってから謝罪にビビらなくなる(笑)。怒られるパターンを一通りやり尽くしてるからね。

「事故が起きるのは、チャレンジしているから」謝罪を怖がる必要はない

天野:
謝罪アポというと、何はともあれ「怖そう」と思ってしまいます。

田端さん:
それはわかるんだけど、まずは「謝罪やお詫び訪問を必要以上に恐れない」ことが大事かもね。

以前、新R25の取材で「いいマネージャーはDJ」って言ったじゃん。いいDJが盛り上げてるビジネスの組織は、いわばクラブで熱気ムンムンのパーティ状態なわけ。

そうしたら、トラブルが起きるのは当然だよね。酔っ払って潰れるヤツが出るとか、近隣住民からクレームがくるみたいなさ。それを完全に防ぐって無理なんですよ。

たとえを変えようか? タクシー会社を経営すると考えてみてよ。

そしたら、年に何件かは一定の確率で交通事故は起きるでしょ。そりゃ事故はゼロなほうがいいですよ? でも自動車が走ってる以上、ゼロにはならない。

大事なのは、事故ったときの「落とし前のつけ方」って話なんだよね。

天野:
ふむふむ。

田端さん:
営業マンが何かやらかして謝罪する羽目になるのって、サボってるからではないじゃん。

「なんとか売上を立てよう」としてチャレンジしてるから、結果として事故っちゃうわけでしょ。意味のあるチャレンジをしたら、ある程度の失敗や事故は必ずあるんです。

だから、謝罪や謝罪アポが多い会社って別に悪い会社じゃないんだよ。逆にいえば、謝罪したことがないという人は、まだ大したチャレンジをしてないからだ…とも言える。

天野:
そう言われると、今謝罪が必要な状況にいる人も救われそうです。

田端さん:
そうでしょ? あとは、期待されるからこそ、謝罪しなきゃいけないって考えるべきですよ。

「御社ならこういう結果を出してくれるはずだ!」っていう相手からの期待があって、そこからの落胆があるから、感情のもつれを生む。

決して誉められることじゃないけど、ほとんどのビジネス上のトラブルや揉め事は、別に法に触れて刑事罰を受けるようなことでは全然ないわけです。

田端さん:
おれが好きな野村(克也)監督の名言があって、「35歳をこえて敵がいないということは、人間的に見込みがないことである」という。

何かをやろうとしたら、衝突や摩擦は絶対に起こる。それを必要以上に恐れなくていい、とR25世代には言いたい。そのためにも、謝罪やお詫びの場数は早めに多く経験できればいいよね。

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最終更新:2/12(火) 12:01
新R25

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