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【3】大阪万博は、“日本列島3.0“の始まりとなる。建築家 豊田啓介氏が志向する、2025年の都市づくり

2/12(火) 12:05配信

SENSORS

「コンピュテーショナルデザイン」をテーマに行われたSENSORSサロン。ゲストに迎えたのは、建築家の豊田啓介氏(noiz共同主宰)だ。

<番組の動画はこちら!>

全3回にわたってお届けする最終回となる本記事の前半では、豊田氏の目に映る「ライゾマティクス齋藤精一」の姿が明かされた。noiz同様にコンピューター×建築に取り組むライゾマティクスに対し、「競合でもあるが、共感できる部分が多い」と尊敬の念を示した。それに対し、齋藤も「日本の建築業界には、豊田さんのような人が必要不可欠だ」と返した。

中盤は、「2025年の東京」をテーマにトークが展開。大阪万博にも携わる豊田氏は「万博を、新しい取り組みの実験場にしたい」と話し、齋藤も「2025年に向けて、準備を進めたい」と明かした。落合も「大阪万博を機に、日本列島3,0にアップデートするべきだ」と意見し、日本の未来についての熱い議論が交わされた。

後半は、落合からの質問「旧態依然とした建築事務所からの風当たりは強くないのか?」に、豊田氏が回答。建築業界の中で先進的な取り組みを続ける豊田氏は、「デジタルとアナログを両方理解しているから、意見しやすい」のだと明かした。さらに、次世代の建築家の育成についても話が及び、司会の草野から「建築家の教育用ゲームがあってもいい」という意見も飛び出した。

建築、アートとそれぞれの業界で革命を起こしてきたMC陣と、コンピューテーションデザインを提唱し、建築業界に革命を起こす豊田氏。3名の議論から、今後の日本をより良くするヒントを探っていく。

「正直、ズルいと思うこともある」豊田啓介から見た、ライゾマティクス齋藤精一

草野絵美(以下、草野):続いては、落合さんからのキーワード「豊田さんから見たライゾマティクス齋藤さん」です。

落合陽一(以下、落合):齋藤さんは、フットワークが軽そうなイメージがあると思うのですが、それはメディア露出も多く、色々な取り組みをされているからだと思うんですよね。実際、豊田さんの目には齋藤さんがどのように映っているのでしょうか?

豊田啓介(以下、豊田):noizもライゾマティクスさんと同様、コンピューターを使った建築をしているので、タッグを組む時も、競合する時もあります。競合として見ると、ライゾマティクスさんはデジタル分野における実績もあるし仕事も速いので、正直「ズルい」と思うこともありますね。

齋藤精一(以下、齋藤):競合だと認識されていたんですね。

豊田:知らないところで競合と認識されていたりするんですよ。でも、仕事の速さやフィー体系に関して羨ましいと思っていますし、齋藤さんの考え方には共感できる所も多いんです。齋藤さんはアナログなアーキテクチャへの理解があったうえで、「建築」を再定義しているじゃないですか。そういった考え方は長期的にみると、長く残る建築物の創造につながるのだと思います。うちも建築とコンピューターの両方がわかっているけれど、コンピューター側からのアプローチが強いので、もう少し両面から見られるようになればいいのかなと思っています。

齋藤:やっぱり、他の領域と掛け合わせていかななければ、世の中を変えるようなことはできないですよね。だから、豊田さんのように「コンピュテーショナルデザイン」を提唱する人は絶対に必要なんです。日本でそういったスタンスを取る人はあまりいないんじゃないかな。アカデミックに取り組んでいる方はいっぱいいますが、実装している人はほとんどいないと思います。

草野:お二人が共闘する時は、どんな風に仕事を分担しているんですか?

齋藤:僕は「表現」の部分を担うことが多いですね。一方でnoizさんは「空間性」を担っ
ている。

豊田:施工方法によっても変わっていきますけどね。ライゾマティクスさんに影響されて、僕たちの考え方が変わったりもします。今度一緒に「ノイゾマ」というチームを組んで一緒に仕事をしてみたいです(笑)

落合:それ超良いじゃん(笑)。僕の会社もよく「ライゾマティクスさんと、どう違うんですか?」と聞かれます。実際には全く違っていて、うちはクライアントのやりたいことを忠実に実行する。一方で、ライゾマティクスさんは「何をやるか」からコンサルティングしている。だから、途中で当初の目的が変わった場合には「ライゾマティクスさんと組んだ方がいいかもしれないですね」と提案することもある。そのようにクライアントに最適なプランを考える人がおらず、デジタルに対する認識が低い会社は淘汰されていくと思います。

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最終更新:2/12(火) 12:05
SENSORS

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