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外国人旅行者の温泉人気…「タトゥー問題」の“着地点”はあるのか

2/12(火) 11:33配信

FNN PRIME

2018年、約3,119万人にのぼった訪日外国人旅行者。彼らの間で人気の旅の目的の一つが「日本の温泉」だ。
国土交通省観光庁の訪日外国人消費動向調査(2017年)では、「訪日前に期待したこと」や「次回したいこと」を集計しているが、こちらでは「日本食を食べること」「ショッピング」「自然・景勝地観光」など、旅行時の定番的な行動に次いで「温泉入浴」がランクインしている。

外国人のタトゥーを取り巻く現状とは?

前述の調査を要点別に調べた「トピックス分析」では、観光・レジャー目的のリピーターが多い、韓国、台湾、中国、香港の旅行者に特に人気。このうち、韓国、台湾、香港の旅行者においては、訪日回数に比例して温泉に入る比率が高くなっていた。入浴回数を重ねるごとに魅力が深まるということだろうか。

日本の温泉には、種類豊富な泉質や温泉街の風情など、一言では言い表せない魅力がある。
外国人旅行者には大いに楽しんでもらいたいと思う一方で、外国人旅行者と温泉を語る上では避けては通れない課題もある。それが「タトゥー」(刺青)がある人への対応だ。

国内のホテル・旅館の過半数が「入浴お断り」

タトゥーは、海外では反対層がいる中でも一定の市民権を得ており、ファッション感覚で彫る人もいる。
しかし日本では「刺青=反社会的」というイメージが根強く、国内でもタトゥーがある外国人旅行者が入浴拒否されたケースがある。

国土交通省観光庁が2015年、全国のホテルや旅館を対象に行った調査では、回答施設の過半数がタトゥーがある人の入浴を断っている。
「お断り」した理由の6割近くが「風紀・衛生面で自主的に」というもの。また、回答施設の約半数が苦情を経験、約2割がトラブルに発展しているという。
以前、編集部でも「“タトゥーOK”温泉の理由にネット上で賛否…その施設に実状を聞いてみた」という取材をした。

近年では受け入れの動きも拡大

ただ、外国人旅行者の増加に伴い、近年タトゥーに関する状況は変わりつつある。
観光庁が2016年に発表したリリースでは、宗教や文化などの理由でタトゥーがある場合があること、衛生上の支障にはならないことが示されているほか、入浴に関する対応事例として「シールなどでの対応」「入浴時間の工夫」「貸切風呂の案内」を紹介し、施設側に対応の改善を促している。

そして、2019年にラグビーワールドカップ、2020年に東京オリンピック・パラリンピックなどの開催を控え、多くの外国人旅行者が訪れるであろうこれらのイベントを機会に、タトゥーがある人の温泉利用を検討する自治体も出てきた。その筆頭が、温泉郷として知られる大分・別府市だ。

別府市は、市の外郭団体「B-biz LINK」(ビービズ リンク)の業務委託を通じて、外国人向けの温泉マップを制作。外国人向けの温泉紹介サイト「ENJOY ONSEN」への掲載を通じて、タトゥーがあっても入れる温泉や入浴マナーなどを紹介している。

「B-biz LINK」の担当者は「海外の方にとってタトゥーは自己表現の一種でもあり、入浴施設に来てから『利用できません』と断られるのが一番がっかりするはずです。入浴できるかできないかをしっかりと示してあげることも、温泉地ならではの“おもてなし”につながるのでは」と話す。

別府市内111軒の温泉施設が加盟する「別府市旅館ホテル組合連合会」は、タトゥーがある外国人の入浴可否を問うアンケート調査を実施。加盟施設のこれまでの対応やタトゥーへの考え方などを把握することで、受け入れの可能性を探ろうとしている。

別府市は、ラグビーワールドカップの試合会場の一つである大分市と隣接していて、同連合会は「加盟施設の利用客の比率は日本人が7割、外国人が3割。タトゥーがある外国人も気持ちよく温泉に入れる方法はないか、検討していきたい」と話す。

少しずつ理解が広がる中、タトゥーに寛容な温泉や宿泊施設の情報を掲載するウェブサイト「Tattoo Friendly」を運営する川崎美穂さんは、外国人のタトゥーと温泉を巡る問題をどう考えているのか聞いてみた。

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最終更新:2/12(火) 11:33
FNN PRIME

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