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女子生徒の命救った産能大・河西と植田が明かす秘話

2/12(火) 18:02配信

日刊スポーツ

産能大は12日、神奈川・伊勢原市の湘南キャンパスで、今年プロ入りしたサッカー部4選手の合同入団会見を行った。そのうち2人は1年3カ月前に、人命救助で表彰された人物だった。

会見に臨んだのはいずれも4年生で、J3福島ユナイテッドFCに加入する主将のDF河西真と、J3アスルクラロ沼津に入るMF佐藤尚輝とFW渡辺りょう、関東1部のブリオベッカ浦安に入団するMF植田涼吾の4人。若々しく抱負を語った。

その会見途中。大学側が明かしたのは、河西と植田の2人が以前、人命救助で表彰されたいきさつだった。

◇ ◇ ◇

2017年11月26日、周囲は薄暗くなりかけ、時計は夕方にさしかかっていた。当時3年生だった2人と先輩の3人は唐突に思い立って、市内にある大山(標高1252メートル)で必勝祈願することを決めた。

途中には崖のようによじ登る必要がある道もあり、通常は1時間半かかる片道だったが、自慢の脚力を発揮して40分足らずで登り終えた3人。目的の必勝祈願を終えて、暗い道中の下りも半ば、駆け降りていた。

すると、すぐに中学1年生の女子生徒をかつぐ父親と、その連れの方に遭遇した。足を止めて「大丈夫ですか」と尋ねた。聞けば、バランスを崩して転倒し、意識を失ってしまったという。けいれんも始まっていた。

父親は110番通報をしていたものの、山頂付近は電波が悪く、携帯電話は使えなかった。3人は話し合い、登り道で最も速かった河西が真っ先に下って救助を求めることと、残った植田ら2人は自分らの上着を羽織りながら交互に女子生徒を背負い、もう1人が荷物を持つことを決めた。

1時間近くかけて下りる途中で、上ってきた山岳救助隊員と合流。その後、救急隊員によって病院に搬送された。女子生徒は病院で意識を取り戻した。勇気と機転、連係プレーによる人命救助だった。

当時、3人はきちんとは名乗らなかったという。伊勢原警察署から大学に連絡が来て、最初に受けたサッカー部顧問の小柴達美副学長は「何かやらかしましたか?」などと尋ねてしまったと笑わせた。3人はその後、同署から表彰された。

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河西は当時を「特別なことをしたわけではなく、誰でもあの状況を見たら尋ねたと思います。たまたま自分たちが出くわしただけで、自慢するようなことではないですから」と話した。それでも、冷静な状況判断に「サッカーに生かしていきたいですね」と笑った。植田も「何げないことですけど、周りに言っていただけると、良いことをしたんだなと思います」と振り返った。

サッカー部は、彼らが1年時に神奈川県リーグに降格したチームを、昨年末の関東2部リーグ昇格決定戦で明治学院大に勝って再昇格に導いた。その中心となった4人はそれぞれがプロの道に臨む。

河西が進む福島は若手選手を、J1、J2のクラブなどへステップアップさせることも目標に掲げており「自分にとっても目標です。でも、まずはチームの結果が最優先。チームに貢献することで、自分を高めていきたい」と話した。

植田が進む浦安には都並敏史監督がいる。「自分と同じ左サイドバックの方なので、勉強になることが多い。全力で取り組みたい」と抱負を語った。

最終更新:2/13(水) 22:00
日刊スポーツ

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