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【岡山から伝えたい】復興ボランティア激減、ピークの10分の1に 被災4カ月の倉敷・真備 いまだ手付かずの家屋も【再配信】

2/13(水) 21:40配信

山陽新聞デジタル

【再配信:内容は2018年11月8日の初出時点のものです】

 西日本豪雨で甚大な浸水被害を受けた岡山県倉敷市真備町地区で、復興支援のボランティアが激減。ピーク時に1日2000人を超えた参加者は、10分の1程度になっている。7月の発生から4カ月が過ぎても、手付かずのままの被災家屋が多数残されているとあって、市災害ボランティアセンターは「復旧・復興に向けてはこれからが本番。一層の協力をお願いしたい」と呼び掛けを強めている。被災地の地元メディアである山陽新聞が、復興ボランティアを取り巻く現状をリポートする。

【写真】真備のボランティア復興支援進む

被災者の依頼3000件を完了

 「74歳の女性宅で土砂の撤去を手伝える方はいますか」「69歳の男性宅で土壁はがしをお願いできる方は」-。10月28日、日曜朝の倉敷市災害ボランティアセンター(同市真備町川辺)。集まったボランティア約260人を前に、運営スタッフが被災者の依頼内容を次々に読み上げてマッチングを進めていった。

 ボランティアの派遣は5人一組が基本。活動は午前9時~午後4時で、体調への配慮から30~40分ごとに10分の休憩を取る。現在、センターに寄せられている依頼は約150件。作業は家財搬出や壁の洗浄、床板撤去など多岐にわたっている。依頼1件につき、平均で20回のボランティア派遣が必要だという。

 自宅が2階まで漬かった会社員田村健吾さん(47)=同市真備町川辺=はこの日、岡山県総社市内のみなし仮設住宅から戻り、5人のボランティアとともに内装の壁はがしに汗を流した。支援を受けたのは3回目。脚立に乗り、重いハンマーやバールを使う作業は1人では困難だったため、「本当に助かる。先は長いけれど、作業が前進している実感が持てれば住宅再建への希望が湧いてくる」と感謝した。センターによると、真備町地区ではこれまでに延べ約5万8千人のボランティアが約3千件の依頼を完了させている。

複雑、多様化する被災者ニーズ

 真備町地区でのボランティア参加者は、約2300人だった7月15日がピークだった。被災家屋からの災害ごみ搬出が一段落してきたことや、夏休みが終わって学生ボランティアが減ったことなどもあり、9月には700~100人台に落ち込んだ。センターは同月から、翌日に必要と見込まれるボランティア数と申し込み状況をホームページに載せるようにしたが、10月初旬には初めて100人を割り込む日もあった。「時間の経過とともに、人手が減っている印象がとても強い」-。7月から週1回程度ボランティアに参加し続けている自営業安藤和人さん(44)=岡山市南区豊成=の実感だ。

 センターは「被災から4カ月が過ぎ、『もうボランティアは必要ないのでは』といった“誤った認識”が広がっているのも要因」とみる。真備町地区の被災家屋のうち、センターを通じてボランティアが作業に入ったのは3割程度。残る7割は自力、または専門業者が片付けたケースも一部含まれるとはいえ、「その多くは被災者がSOSを発していないため、ボランティアの支援が届いていないのが実情。現場にはまだまだ人手が要る」と話す。

 さらに、片付けが一段落した被災家屋では、家屋の改修、再建に向けて壁、柱のカビの除去や浸水した床下の消毒など専門技術が必要となっていたり、被災地のコミュニティー維持や心のケアが求められるようになっていたりと、現地ニーズは複雑、多様化する一方だ。

 迅速かつ適切に対応するため、10月18日には岡山県内の官民150組織が「災害支援ネットワークおかやま」を設立。被災者ニーズを共有し、医療や炊き出し、家屋清掃といった各分野の支援団体につなぐ取り組みを本格化させている。災害支援の官民連携に詳しいNPO法人「全国災害ボランティア支援団体ネットワーク」(東京)の上島安裕運営委員は「自治体も加わった支援組織の設立は全国的にも先進的」と注目しており、「参加団体のネットワークを生かし、行政と民間が持つノウハウを最大限に活用することが重要だ」と指摘する。

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