ここから本文です

【岡山から伝えたい】自転車からの映像で見る、復興の息吹と止まった時間【再配信】

2/13(水) 21:50配信

山陽新聞デジタル

山陽新聞デジタル

【再配信:内容は2018年11月11日の初出時点のものです】

 西日本豪雨の発生から4カ月に合わせ、甚大な被害を受けた倉敷市真備町地区をビデオカメラを付けた自転車で撮影した。発生直後の7月の撮影と同じコース。エリアの3割が水没したまちの“今”は、復興への息吹とあの日から止まったままの時間が交錯していた。

【写真】豪雨復興願い新見駅前でマルシェ

仮設保育園舎に歓声

 11月2日、西隣の矢掛町側から東進、北上、西進、南下し真備町を1周した。7月12日、同20日、8月7日に続き4回目だ。

 氾濫した小田川に並走する国道486号を進む。7月の撮影時のような苦しさは感じない。当時は道路一面に泥がたまり、タイヤが取られるほどで、土ぼこりと鼻をつく臭いが立ちこめていた。

 4カ月たった今はストレスなくペダルをこげ、吹き抜ける秋風が心地良く感じられた。道路脇に山積みになっていたがれきや家財道具はすっかり片付いている。災害ごみを運ぶトラックの車列はなく、渋滞も解消された。営業しているコンビニが何店かあり、歯科医院の入り口には「診療中」の張り紙があった。

 犬を連れて散歩するお年寄りたちの姿は、以前は見られなかった日常の一コマだと感じた。途中、子どもを乗せた何台もの大型バスとすれ違う。地区外に避難している児童のための送迎車だ。保育園のそばを通ると、プレハブの仮設園舎が目に入り、にぎやかな子どもたちの声が聞こえてきた。

さら地に「売地」看板

 幹線道沿いでは水没したスーパーが取り壊され、さら地に。ホームセンターの建物も撤去の準備に入っており、多くの住宅で工事の足場が組まれている。整地され、「売地」の看板が立てられた土地もある。以前は住宅の片付けなど復興支援に向かうボランティアの列とあちこちですれ違ったが、今回はそうした様子を目にすることはなかった。

 まちは確実に再生へと進み始めている―。そう実感しかけたころ、幹線道から離れた田園地帯の光景に足がすくんだ。踏みつぶされたようにひしゃげた建物、道路脇に置かれた大量の材木、鉄骨、コンクリート片…。被災後、ほとんど手つかずの状況にあることがうかがえる。この一帯では住民の姿はほとんど見かけなかった。

1/2ページ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事