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【The Super Ball インタビュー】新しい時代の“キャッチー”を目指して

2/14(木) 10:02配信

OKMusic

2019年第一弾シングルは恋愛の二面性を狂気も孕みながら描いたラブソング「アイビー」。アレンジにレコーディング、ジャケットデザインと、そこには明確な彼らの“意図”が隠されている。2019年は勝負の年と語るふたりの覚悟が表れた一枚だ。

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──「アイビー」はなかなか会うことのできない恋人への想いを歌ったラブソングですが、吉田さんがピアノでサビを弾き語る幕開けには驚かされました。これって、なかなか珍しいスタイルじゃありません?

吉田:あんまりやったことないです。あのサビが一番インパクトあると思ったんでサビ始まりにしたんですけど、どのくらい熱量を持って歌うのかっていうバランスに迷って何度も録り直しました。1日じゃ終わらなくて、後日もう1回録らせてもらったんですよ。でも、おかげで納得のいくテイクを収められたし、ライヴになれば自分で弾きながら歌うからこそ表現できるものもあるはずなので楽しみですね。

佐々木:実際ライヴで初披露した時、レコーディングでは気付けなかった曲のパワーを実感できました。野球に例えるなら三番サードくらいの位置にくる重要な曲ができた自信があります。何よりこの曲が(吉田)理幹から上がってきた時、すごく理幹らしいなと思ったんですよ。

──“理幹らしい”とは?

佐々木:例えばBメロの《来世も隣にいたくて》というフレーズ。すごくパワーがあって一発で気に入ったんですけど、僕だったら長く付き合ってる相手にそんなこと絶対言えない。僕は結構楽観的なんで、距離が離れていても大丈夫でしょ!ってタイプなんです。でも、理幹は対照的で、結構尽くすタイプというか。

吉田:そう。“好き”と言われたとしても不安になるからどんどん尽くしちゃって、結果めちゃめちゃ重い恋愛になっちゃうんですよ。正直言って、そういう実体験も含めながらの歌詞でもあって、結果的にあふれる愛しさの中にある不安だとか、ちょっとした怖さだったりっていう、恋愛における二面性を描いたものになったんですね。それで“蔦”を意味する“アイビー”をタイトルにしたんです。花言葉を調べたら“永遠の愛”とか“結婚”っていうハッピーなワードと一緒に“死んでも離れない”っていう言葉もあったので。

──よくよく考えてみれば“永遠の愛”も“死んでも離れない”も根本は同じですからね。パッと聴きは爽快なアップテンポのバンドサウンドで、そんなにネガティブな印象は受けませんが、そう考えると実はすごく“闇”な曲なのかもしれない。

佐々木:だからこそ、アップテンポにする意味があったんです。そもそもメロディーがど真ん中の美メロフレーズなんで、バラードにすることもできたんですけど…。

吉田:やっぱり自分の中に強がりたい気持ちもあったのと、去年一緒に制作をさせていただいたミュージシャンの方が“単に耳馴染みのいいメロディーや聴きやすい言葉じゃなく、メロディーと歌詞の間にある違和感みたいなものが今のキャッチーなのかもしれない”と話されていて、それがすごく心に刺さっていたんです。確かに歌詞の内容とギャップのある曲調のほうが、新しいものが生み出せるんじゃないかって思ったんですよね。

佐々木:今回は「アイビー」を理幹、カップリングの「Juice」を僕と、初めて制作進行を分担するかたちをとったんですが、「juice」についても同じことが言えるんです。ベタベタの友情ソングだからこそ、ありがちなバンドサウンドではなく一度やってみたかったシティポップを取り入れたんです。

──つまり2曲とも歌詞と曲であえて異なるベクトルに進んでみたと。

佐々木:はい。ただ、表題曲がラブソングだから対比を出そうと思って、友達に対しての想いを素直に書いたら…最初はボーイズラブみたいになっちゃったんですよ(笑)。20歳くらいの若い子ならいざ知らず、もう28歳なのにこれはちょっとまずいなと理幹にも相談して。それこそ「アイビー」みたいに遠く離れていたり、忙しくてなかなか会えない古い友人に向けて、“お互い頑張っていこう!”って呼び掛けるような夢の要素を入れていったら、曲の物語に自然と自分を重ねていってしまったんです。

──それで「Juice」の主人公も上京して歌い続けている人物になっているんですね。

佐々木:そうなんです。ちょうど歌詞を書いていたのがツアー中で、上手くいった公演もあればもっとやれたなと思うライヴもあったりして。それでも毎日ライヴができて、歌えることが楽しいっていう想いから生まれた歌詞なんですよ。

吉田:自分も一緒に同じ夢を追っている身なので、すごく気持ちを込めて歌いやすかったです。特に《まだまだやれる》《奇跡って待つものじゃない》っていうCメロなんて、まさしく今の気持ちそのまんまで。

──ちなみにタイトルは2番の歌詞に出てくる《缶ジュース》からでしょうけど、実際は何ジュースを思い浮かべてました?

佐々木:やっぱり缶ジュースと言えば…コーラじゃないですかね?

吉田:自分もコーラですね、思い浮かんだのは。

佐々木:待って。オレンジもあり得るけど…でも、やっぱりコーラで!

──了解です(笑)。そして、3曲目の「流れ星の街(Piano ver)」は打って変わり、純然たるバラードで。タイトルからするとピアノではないバージョンもあるんでしょうか?

吉田:いや、今の段階ではありません。実はデビュー前からピアノとふたりの声だけで披露してきた、すごく大切な曲なんですよ。

佐々木:路上ライヴでやると人が大勢止まったり、対バンでも初めて観た人が涙したりと、これもライヴでのキラーチューンというか主役になれる曲ですね。だから、本当はもっと早く音源化したかったんですよね。

吉田:でも、世の中のために犠牲になることを決意した人の歌なので、その重さを表現し切れるようになるまで時間が必要だったんです。壮大な世界を歌っている曲なので、いつかストリングスとかを入れてアレンジしてみたいという気持ちから、あえて“Piano ver”と銘打ったんですよね。

──なるほど。お話をうかがっていると、かなり思い入れの深いシングルになったようですね。

吉田:今回、ジャケットに初めて自分たちが映っていないんです。「アイビー」の物語に出てくるものを置くことで聴き手に想像を膨らませてほしかったので。あと、ミックスエンジニアも自分たちでお願いしたんですよ。去年出したアルバムの『Out Of Bounds』で2曲担当していただいた土岐彩香さんっていう女性の方にすごく音に鋭さのあるミックスにしていただいて。

佐々木:すごく自分たちに合ってるんですよね。もう、土岐さんには2019年のピッチングコーチ的な位置に立ってもらって一緒に闘っていきたい! 2019年は本当に勝負の年だと考えているので、例年以上にいっぱいツアーやイベントをやって、ホールツアーを目標に、“スパボっていいな”と感じてもらえるように頑張っていきたいです。

吉田:今回は久し振りに自分たちだけで完成させて、すごくいいものできた実感があるんですね。でも、まだまだできるはずなんですよ。もっと音楽の勉強をしたいし、もっと本を読んで語彙力も増やしたい。いろんな感性を磨きながら、もっと良い作品を作れる人間になりたいと思っています。

取材:清水素子

OKMusic編集部

最終更新:2/14(木) 10:02
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