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働き方改革、大企業は下請けに仕事を押し付けて対処。しかし1年後にはそれも不可能に。

2/15(金) 11:30配信

THE PAGE

 働き方改革関連法の施行が4月に迫っていますが、大企業の中には、とにかく残業時間を減らすため、下請け企業などに仕事を押しつけるというケースが目立っています。働き方改革の本来の目的は業務のムダを見直すことであり、残業時間の削減は結果でしかありません。こうした場当たり的な対応が横行すると、本来の趣旨とは違った方向に進む可能性があります。

 昨年末、中小企業庁が、約8000社(回答があったのは約2500社)の中小企業に対して行ったアンケート調査によると、発注する大企業が残業時間を削減するため、中小企業に仕事を丸投げするケースが増えているそうです。6割の中小企業が納期を短くするよう求められたと回答しています。印刷業界や紙業界、IT業界では8割以上にのぼっています。しかも驚くべきことに、官公庁も同様の要求を行っており、建設業では、約7割が、主な顧客である官公庁から短納期を求められていました。

 杓子定規な対応も目立ちます。機械の搬入など、事実上、休日でなければスムーズに実施できない業務についても、発注側の社員が休日出勤できないため、無理なスケジュールや体制が強要される事例も報告されています。

 働き方改革関連法の残業規制には罰則規定があります。本来であれば、業務のムダを見直すことで残業を減らす必要がありますが、これを実施するのは容易なことではありません。このため一律に残業時間をカットするだけの大企業も多く、そのシワ寄せが下請け企業などに及んでいます。

 このような事態が発生する可能性については、専門家の一部が指摘していましたが、残念ながら予想が現実のものとなってしまったようです。

 働き方改革関連法は4月に施行されますが、2019年に対象となるのは大企業のみです。中小企業にも適用されるのは2020年の4月からですから、1年間は中小企業に仕事を押しつけるということが理論上、可能となります。しかし2020年以降は、中小企業も無制限の残業はできなくなりますから、こうしたやり方が行き詰まるのは明白といってよいでしょう。

 このままでは、多くの中小企業がサービス残業という形で残業を増やす可能性が高くなり、働き方改革は絵に描いた餅になってしまいます。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2/15(金) 11:30
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