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大学進学費用や奨学金の実態を知らない子育て世代

2/17(日) 11:20配信

ベネッセ 教育情報サイト

子どもの教育費負担は、保護者にとって悩みの種です。そこで大きな助けとなるものの一つに、奨学金制度があります。ところが、奨学金などの実態について知らない30代から40代前半の保護者が意外にも多いことが、日本生活協同組合連合会(日本生協連)の調査で明らかになりました。

8割以上が将来の教育費に不安

調査は2016(平成28)年9~10月、インターネットを通じて実施し、2,675人から回答を得ました。大学の授業料など学費について「高いと思うか」どうか聞いたところ、「そう思う」と回答した者は、国立大学については26.7%、私立大学については73.1%でした。さらに「ややそう思う」という者は、国立大学が31.4%、私立大学が19.4%となっています。やはり国立大学よりも私立大学の授業料について、「高い」という不安を持っている保護者が多いようです。

子どもの現在の教育費について「負担を感じる」(「かなり負担」と「やや負担」の合計、以下同じ)という者は、「45~49歳」と「50~54歳」で約7割に上っています。一方、将来の教育費の負担について「負担を感じる」という者は、20~40代でいずれも8割を超えています。

将来の子どもの教育費を賄うための方策(複数回答)として考えていることを年収別に尋ねたところ、「奨学金を利用する」が年収200万円未満で30.0%、200万~400万円未満で23.4%と最も多くなっています。年収400万円以上から1,000万円未満と1,200万~1,400万円未満の保護者では「進学費用の貯蓄をしておく」が、年収1,000万~1,200万円未満と1,400万円以上では「月々の収入でやりくりする」が最も多くなっており、将来の教育費を賄う方法として奨学金を考えている者はあまり多くないことがうかがえます。

早めの情報収集が必要

奨学金の実態などについて聞いたところ、30代から40代前半の保護者で、「知らない」と回答した者の割合が高くなっています。特に、30代後半の保護者で、その傾向が目立ちます。たとえば、「現在、大学生の約半数が奨学金を利用している」ことを知らないのは、50代前半の保護者が34.9%だったのに対して、30代後半の保護者は65.9%にも上っています。また、「奨学金の返済を理由とし、結婚や出産をためらう若者も少なくない」ことを知らない保護者も30代後半で42.2%おり、他の年代より高くなっています。30代後半は、子どもが就学前から中学生程度と考えられますが、最も奨学金の実態を知らないという結果になりました。

また、保護者自身が受けていた奨学金の額で最も多かったのは「月3万円未満」、その返済額は「月5,000円未満」となっています。一方、子どもが現在受けている奨学金の額で最も多いのは「月3万~5万円未満」で、次いで「月5万~8万円未満」となっています。

大学受験や大学入学などをめぐる情勢は、保護者の時代とは大きく変わっています。30代前半までの保護者は、将来の教育費負担に不安を感じている一方で、奨学金制度などの実情に疎いといえそうですが、早め早めに必要な情報をきちんと得ておくことが必要なようです。

※「教育費や奨学金制度に関するアンケート」報告書
http://jccu.coop/info/newsrelease/2016/20161104_01.html

(筆者:斎藤剛史)

プロフィール

斎藤剛史

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。

※この記事は「ベネッセ教育情報サイト」で過去に公開されたものです。

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