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「高級バスツアー専用車」続々のワケ 「格安ツアー」衰退、再び加速する豪華志向

2/17(日) 10:47配信

乗りものニュース

夜行バスとはひと味違う、貸切バスの豪華志向

 近年、高速バスで豪華な設備を売りにした車両が登場していますが、こうした動きが貸切バス業界でも活発化しています。

【写真】車内にバーカウンターも 豪華ツアーバスいろいろ

 バスツアーを数多く企画している旅行会社クラブツーリズムは、2019年1月から、車内にバーカウンターを備えた豪華バス「CLUB TOURISM FIRST(クラブツーリズムファースト)」を使用するツアーを始めました。

 同車は、JR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」を担当したことで有名な工業デザイナー水戸岡鋭治さんがデザインしました。内装には木材を多く使用し車内はクラシカルな雰囲気で、客席は18席(横3列、前後6列)に絞られています。同車を使い、「東京発着で東北地方を周遊する8泊9日 45万円~」といった高級ツアーが設定されています。クラブツーリズムでは、これまでも「ロイヤルクルーザー四季の華」といった高級車両を保有してきましたが、この「クラブツーリズムファースト」は一段と豪華な車両になりました。

 クラブツーリズム以外でも、2016年から神姫観光バス(兵庫県姫路市。旅行会社としては神姫バスツアーズ)が同じく水戸岡さんデザインの「ゆいPRIMA(プリマ)」を運行しており、2017年にはJTBも、わずか10席の「ロイヤルロード・プレミアム」新型車両を導入しました。また2019年4月からは、奈良交通が「朱雀(すざく)」を、阪急交通社が「クリスタルクルーザー『菫(すみれ)』」をそれぞれ投入する予定です。

 こうしたバスの豪華志向は、2006(平成18)年ごろから高速バス、特に夜行高速バスの分野で目立ってきましたが、「眠る」ことが目的であるため専有面積やプライバシー確保に注力しており、内装デザインはむしろシンプルです。しかし、高級ツアー向けの貸切バス豪華車両は、移動時間そのものを楽しめるよう華やかな内装で、「乗ってみたい」と思わせるものがあります。

いまが初めてではない、高級貸切バスブーム

 貸切バス業界では、1980年代に起こった「2階建てバスブーム」を皮切りに、多くの豪華車両が作られていきました。特に関西では、中央交通バス(大阪府八尾市)が欧州製2階建てバスを大量に輸入する一方、中央観光バス(倒産)は国産車両にシャンデリア、じゅうたん、テーブルを囲んだサロン席など豪華な内装を施した「オリエントエクスプレス」シリーズを展開するなど、ハイグレード車両が目立ちました。こうした事業者もあり、1990年代前半にかけて貸切バス全体のグレードアップが図られていったといえるでしょう。

 しかし、1990年代後半、その動きが止まります。理由のひとつは、バブル崩壊以降に法人需要(会社が費用を負担する社員旅行や、取引先を招いての旅行など)が減少したことです。さらに2000(平成12)年、貸切バス分野の規制緩和により競争が激化したことも大きく影響しました。豪華車両を指定する需要が減ったうえ、競争激化により貸切バス運賃(チャーター代)が下落したため、貸切バス事業者の多くは車両を標準タイプに揃え、車両稼働率を高める戦略を取ったのです。

 旅行会社も、貸切バス運賃の下落に加え、販売戦略の工夫(駅前店舗での販売からダイレクトメールと電話予約中心に変更、など)によりコストが下がったことで、「ランチ付きで日帰り3980円」といった格安ツアーを実現し、中高年層らの人気を集めました。1人あたりの旅行代金を抑えるため、座席が広く豪華な内装の車両より、座席定員が多い標準タイプの車両を優先したのです。標準タイプであれば、旅行会社は特定の貸切バス事業者に限定することなく、予約状況に応じ複数の事業者を使い分けられ、この点も効率的です。

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最終更新:2/17(日) 14:20
乗りものニュース

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