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ブリ養殖日本一の鹿児島でなぜ? 若手漁師がサバ養殖に挑むワケ

2/18(月) 11:32配信

みなと新聞

 冬でも温暖な気候が魅力の鹿児島県長島町。養殖業に適したこの地で、平均年齢38歳の若手漁師4人がサバ養殖に取り組んでいる。ここ3年で生産量は着実に増え、現在年間10万尾を出荷。オリジナルブランド「むじょかさば」として販促する。彼らの挑戦に迫った。

 「これがサバの養殖場です」。生産者の一人、つばさ丸(同町)の長元翼社長(32)が案内してくれた。町内の薄井漁港から船に乗ること約10分。そこには縦横10メートルのイケス数台が置かれてあった。中にはサバの群れが円を描くように泳いでいる。

 前方に見えるのが稚魚用のイケス、後方に位置するのが成魚用のイケス。イケス1台に稚魚なら1万5000尾、成魚なら8000尾が入るという。

 生産者は長元社長の他、濱鮮魚店の濱常人社長(45)、シオン丸の濱村修二社長(41)、丸颯水産の山下泰士社長(34)。全員が東町漁協(同町)に所属する若手漁業者だ。東町漁協といえば養殖ブリ生産量日本一の有力漁協。ブリ主力の地域で、なぜサバなのか。

きっかけは赤潮

 「きっかけは赤潮です」と生産者グループのリーダーを務める濱社長。長島町沖の八代海では2009年、10年に大規模な赤潮が発生。当時、濱社長が養殖していたブリ全量がへい死した。「(被害を補償する)共済にも入っておらず、大変な目に遭いました」(濱社長)。ただ、定置網に入った天然サバを種苗に少量養殖していたサバは生きていた。サバが赤潮に強いと知り、本格的な生産に取り組んだ。

 15年には世代の近い4人でグループを結成。メンバーは漁船漁業やブリ養殖を営むかたわら、リスク分散の手段としてサバを量産していった。

 グループでは長崎県内の業者から仕入れた1尾100~150グラムの天然サバを種苗に使用。約半年で500グラム前後サイズに育てて出荷する。

 養殖する上での最大の特徴は餌。天然ミネラルやポリフェノール、ビタミンなどを含むオリジナル配合飼料を使い、「適度な脂のりになるよう育てている」(長元社長)。

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最終更新:2/18(月) 11:53
みなと新聞

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