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中性子とホウ素の反応でがん攻撃 川崎医大附属病院が臨床研究

2/18(月) 11:02配信

山陽新聞デジタル

副作用少なく決断後押し

 川崎医科大学附属病院には、手術などの標準治療が奏功しなかったり、治療困難だったりする患者がBNCT治療に望みを託し、全国からやって来る。

 東京都の看護師高橋恵子さん(45)は昨年12月、首のリンパ節に転移したがんを治療するためにBNCTを受けた。

 舌がんを発病し、手術で舌の右半分と首のリンパ節を切除したものの再発し、放射線と抗がん剤治療を受けた。免疫治療薬オプジーボの投与も受けてがんを抑えてきたが、昨年秋からリンパ節の腫瘍が大きくなり、BNCTを選択した。

 これまで3度の再発と治療に伴う副作用に苦しめられてきた。唾液が出にくくなり、味覚もあまり感じなくなった。首の筋肉がこわばるせいか、舌の動きが悪く、食べ物を飲み込むのにも支障がある。

 BNCTの副作用が少ないことが、治療選択を後押しした。「『手術しかない』と言われていたらチャレンジしていたかどうか…。気力が持たなかったかもしれない」という。原子炉で治療を受けることに戸惑いもあったが、大きな副作用はなく、仕事にも復帰した。「体力が回復すれば、趣味の料理やゴルフを楽しみたい」と前を向く。

 「こんなにきれいにがんがなくなるのかと驚いた」と話すのは北九州市の女性(46)。昨年1月、外耳道がんの治療でBNCTを受けた。

 手術では完治せず、ほぼ半年ごとに再発を繰り返し、放射線、分子標的薬、オプジーボのほか、先進医療の重粒子線などさまざまな治療を受けてきた。「長くて半年」と余命宣告された時期もあった。

 BNCT治療後は再発していない。体力も戻り、家事をこなせるようになった。「今度こそ―」。女性は闘病を支えてくれた夫(45)とともに希望を見いだしている。

 ■川崎医科大学附属病院(倉敷市松島、086―462―1111) 放射線科の受付時間は月~金曜午前8時半~11時半、午後1時半~4時。かかりつけ医からの紹介予約が必要。

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