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韓国で日本製品不買運動 ユニクロも標的に

2/18(月) 13:01配信

ニュースソクラ

ソウル市議会では不買条例案まで

 日韓の対立があらゆる方面でエスカレートする中、韓国内では公共機関に対し、日本製品の購買を禁じる法案まで登場した。最近、ソウル市議会で発議された『日本戦犯企業との随意契約締結制限に対する条例案』がそれだ。

 光復節(日本の終戦記念日で韓国の独立記念日)を目前にした昨年の8月9日、ソウル市議会の洪聖龍(ホン・ソンリョン)議員(共に民主党)は、ソウル市と各区役所などの傘下機関および、ソウル市教育庁や公立学校などに日本製品の使用状況に対する調査を要請した。

 洪議員は、「ソウル市が日本製の文具類や備品、複写機などを合理的な理由もなく使っているのは、独立運動のために命を捧げた先祖に恥ずかしいことだ。真の光復(独立)を実現するためには、公共機関が率先して模範を見せなければならない」とし、公共機関の日本製品使用を非難し、対策を促した。

 ソウル市など各機関は、洪議員の要求に応じ、直ちに調査に入った。韓国の日刊紙『朝鮮日報』の2017年9月21日のインターネット版記事によると、この調査過程で「市議のパワハラ」「行政力の浪費」などの声が現場のあちこちで起こった。一部の区役所では物品調査のために徹夜勤務を続ける羽目になったケースもあったという。

 また、ソウル市公務員のイントラネットには「日本ブランドでも国内メーカーの部品が入っている場合が多い。どんな基準で日本製を選り分ければいいかわからない」「個人的な反日感情から出発した不買運動に公務員を引き入れようとしている」などの批判が寄せられた。

 同紙は、1カ月間も現場の公務員を総動員して全品を調査した結果、日本製の割合は1~2%に過ぎなかったと指摘した。だが、洪議員は「ずさんな調査のせいで日本製の割合が低くなった」とし、「秋夕(韓国のお盆)以降、再び調査を要請し、日本製物品使用状況を正確に把握する」と主張したと伝えた。

 当時、洪議員のこのような強引な要求に対して、韓国社会でも「時代遅れの国粋主義」「市会議員のパワハラ」という非難が多かった。

 インターネットメディア『MONEY TODAY』(2017年10月9日付けの記事)は、洪氏の反論を掲載している。「資本主義国家で個人が日本製品を使うのは統制できないが、公的機関の購入は精査しなければならない」「私たちの税金で日本製品を購入すれば、金が日本へ渡る。そうなれば、その金で武器を作って、いつか(日本が)侵攻してくる」などが主な主張だ。

 洪議員は反日感情が盛り上がった今年1月24日、ソウル市とソウル市教育庁に対して日本製品の使用を制限する条例案を発議するに至った。

 洪議員が発議した『日本戦犯企業との随意契約締結制限に対する条例案』の主な内容は、「ソウル市役所、市議会、関連機関、そしてソウル市教育庁と直属機関、各学校では、戦犯企業に分類される日本企業との随意契約を締結しないように努力しなければならない」だ。

 また、「25のソウル市自治区にも戦犯企業と契約締結を制限するように勧奨できる」と規定した。ほかにも、「ソウル市とソウル市教育庁は、戦犯企業の製品の購買を制限する文化づくりのため、中長期的な教育と広報活動を行わなければならない」という内容も含まれている。

 発議案の末尾には、2012年、韓国の国務総理室で「戦犯企業」と定義した299の日本企業リストが添付された。

 韓国で言う「戦犯企業」とは、太平洋戦争時、軍納物品を製造したり、植民地の国民を徴用して莫大な利益を上げるなど、戦争犯罪行為に積極的に加わった企業のことで、三菱、東芝、日立など大手企業も多数含まれている。

 この発議案は30人のソウル市議会議員の賛成を得て1月31日に「所管委員会」に付託された。2月22日から開かれる「2月臨時会議」の通過を目指している。

 世界貿易機関(WTO)の政府調達協定に反する同条例案がソウル市議会を通過する可能性は低い。2016年12月に、京畿道議会のキム・ジョンウ議員(共に民主党)が全く同じ内容の『地方自治体を当事者とする契約に関する法律一部改正案』を発議したが、本会議で否決された。

 だが、日本製品に対する不買運動は広がりつつある。洪議員の条例案に対しても、賛成の声が目立つようになってきた。反日感情の高まりとともに、日本企業に対する市民団体と一部マスコミの攻撃も日増しに激しくなっている。

 韓国で毎年1兆ウォン(約1000億円)を稼ぐユニクロは代表的な標的だ。韓国内で「日本の右翼団体を後援する」という根も葉もないうわさが流れているユニクロは、この前のBTSのメンバーによる「原爆Tシャツ」事件をきっかけに、再び不買運動のターゲットとなった。

 在日韓国人のCEOが率いるロッテグループも、日本企業に分類されて攻撃を受けている。申東彬会長の下手な韓国語が非難の対象となったり、三井化学、ユニクロなどとの合弁事業が攻撃の的となっている。

 三菱グループもやはり代表的な不買対象で、韓国で三菱重工の関連社として知られるニコン、キリンビールなどに対する不買運動も活発だ。「竹島の日」の後援社リストに名前が載ったと、韓国で噂されているキヤノン、アサヒビールもターゲットとなっている。

 一方で、人的交流と文化交流はますます盛んだ。昨年は700万人を超える韓国人が日本を訪れ、韓国を訪れた日本人も約295万人と、2016年に比べて27.6%も増加した。文化面では、THAAD問題がこじれて輸出が閉ざされた中国に代わり、日本が韓流コンテンツの最大市場として浮上した。

 就職難に苦しんでいる韓国の若者の間では日本での就業や日本留学がブームとなるなど、若い世代の「日韓関係」はまだまだ好調である。

 一部の政治家とマスコミの非難合戦で、両国の対立がこれ以上拡大しないように、日韓両政府の努力が必要だ。

朴英南 (ジャーナリスト 在ソウル)

最終更新:2/18(月) 13:01
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