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モバイルファースト+α戦略で急成長したジュエリー販売店

2/20(水) 10:13配信

TechTargetジャパン

 デジタルビジネスの時代は、恐らく他のどの業界よりも小売業界を変化させた。現代のネット通販利用者は文字通り、手元で情報を使いこなす。スマートフォンを何度かタップするだけで、レビューの総合評価が最も高いお買い得商品や適切な商品を見つけ出す。

 こうしたテクノロジー主導の展開は、オムニチャネル小売業経営のあらゆる局面に行き渡っている。フロントエンドの商品展開やマーケティングの革新だけでなく、10年前であれば誰も思い付かなかったような販売やフルフィルメント(受注から決済に至る全業務)が可能になっている。

 現代の客は昔の客とどう違うのか。2018年7月に発表された小売店の変革に関する報告書で、調査会社Forrester Researchは、小売業の変革に関する以下の4つの要素を取り上げている。

1. 消費者は常にネットに接続している
2. 消費者はかつてない速さで新技術の価値を見いだしている
3. 物理エクスペリエンスとデジタルエクスペリエンスの間の境界が薄れつつある
4. デジタルはあらゆるタッチポイントを横断する消費者の期待を根本から変えた

 デジタルコンシューマーがどう買い物をしているかを考慮することによって、小売業者は恩恵を受けることができると報告書は述べ、「デジタルストア関連デバイスと消費者のセルフサービスツールは、客が買い物をする過程に沿って個人に合わせた支援を提供することにより、小売りの価値を高める」と指摘する。

 消費者はモバイル端末を、店頭で買い物をする際の信頼できるアドバイザーと見なすようになり、自分が必要とする情報やサービスを、特にモバイル端末を通じて店内で入手できることを当然と考える。店内で見た価格や情報を確認したり、競合他社のWebサイトで商品を購入したりしている可能性も大きい。

 購入を検討している商品についてスマートフォンで調べることから始めた買い物客が、違う道をたどって購入に至る可能性もある。選択肢に関して詳細かつ入念に調べた結果、最終的には情報に基づく購入にたどり着く。個人の好みに合わせて商品がカスタマイズされることもある。

 ジュエリー販売店のTaylor & Hartは、モバイルファーストのエクスペリエンスを実現し、店内とオンラインの両方で、個人の好みに合わせた強化型のショッピングエクスペリエンスを提供している。

 ハットンガーデンに隣接する地区は、中世からロンドンのジュエリー取引の中心地だった。現在もハットンガーデンにはジュエリー業界の企業約300社と50以上の店があり、英国で最大のジュエリー小売集積地となっている。

 ジュエリー販売は伝統的に、買い手が対面方式で熟考した末に買い物をしていた。世界中でこのビジネスを支える婚約指輪については特にそれが当てはまる。

 だが2013年、破壊を意図した違う種類のジュエリーおよび婚約指輪ビジネスが創業された。同社は当初Rare Pinkと呼ばれていたが、2016年にTaylor & Hartと改称した。今も比較的小さな小売業者であり、売上高は数百万ポンド。従業員は50人に満たないものの、自分の好みに合わせた指輪のデザインを望む顧客にターゲットを絞った独自のやり方で頭角を現している。

 CEOのニコライ・ピリアンコフ氏は、テクノロジーとインターネットの利用に加え、このビジネスを決定づける要因はこのパーソナライズ性にあると説明する。

 「もちろん、テクノロジーはわれわれの試みを実現するための素晴らしい存在だ。だが最終目標は、パーソナライズ化され、利便性が高く、精神的に報われる、常にコスト効率の高いサービスだ。よりスマートなショーウィンドウとしてのインターネット利用が、それを可能にしている」

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最終更新:2/20(水) 10:13
TechTargetジャパン

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