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医師の働き方改革を「絵に描いた餅」にしないために 医師100人に面接してきた産業医がこれだけは言っておきたいこと

2/20(水) 12:27配信

BuzzFeed Japan

私は、呼吸器病学や産業医学を専門とする医師です。東北大学病院約3000人を含む東北大学の約10000人の職員の健康を守る統括産業医としても働いています。

医師の健康管理をしている立場からということでしょうか、厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」の構成員としても議論に参加しています。

この検討会は、「働き方改革医師版」ともいうべき位置づけです。医師の過重労働を抑えるとともに、一方では地域医療の維持を図ることを目的としています。

よく考えると、この二つの目的は対立するような関係で、どうやって実現させるか、非常に難しいということがわかると思います。検討会はすでに佳境に入っていて、あと1ヶ月余りで結論を出す予定です。

時間外労働の上限の時間数が注目を浴びるなど、波乱含みでもあります。

当初は、医師の労働時間規制と応召義務、つまり、患者から診療を求められた時に、医師は正当な理由がない限り拒んではいけないこととの折り合いが注目されていました。

しかし、議論を重ねた結果、大きな問題はそこではないことが気づかれ、日本の医療制度や慣習がもつ、数々の問題点が医師の時間外労働と結びつく大きな問題として浮かんでいます。

・地域あるいは診療科によって医師数が偏っていること
・医師の労務管理や医療機関の労働衛生管理体制
・宿日直の多くが勤務時間としてみなされていないこと
・研修や専門医制度
・大学の事情
・医療機関の患者側の受診の仕方の問題

等々、あげればキリがありません。

検討会は、これらの解決の方向性は示しつつも、時間外勤務の上限時間数を先に設定してしまおうとしている状況です。釈然としないところもあるわけですが、せめて、医師の働き方改革が施行されるまで5年の猶予期間のうちに個々の問題の改善をできる限り目指す、ということになりそうです。
【寄稿:黒澤一 東北大学環境・安全推進センター、東北大学大学院医学系研究科産業医学分野教授・統括産業医 / BuzzFeed Japan Medical】

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最終更新:2/20(水) 12:27
BuzzFeed Japan

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