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医師の働き方改革を「絵に描いた餅」にしないために 医師100人に面接してきた産業医がこれだけは言っておきたいこと

2/20(水) 12:27配信

BuzzFeed Japan

医師は労働者なのか?

そもそも、医師は労働者と考えてよいでしょうか。

結論として、医療機関に勤務する医師は、看護師や事務職員など他の職種と同様に労働者として取り扱われます。

医療機関でも労働者の健康を守るための法律「労働安全衛生法」の遵守は必要です。職員が50人以上だと産業医を専任し、労働基準監督署に届ける必要があります。病院の事業者は、法定の健診やストレスチェックも実施しなければいけません。

長時間労働に対しては医師の面接指導の体制を整える必要もあります。一般企業と同様、法に基づいた労働安全衛生管理体制が必要なのです。

その実態はどうでしょうか。厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」もいよいよ大詰め。長時間労働をする医師の健康確保策として、面接指導やドクターストップが盛り込まれそうですが、きちんと機能するのでしょうか?

日本医師会産業保健委員会の2018年3月の答申を見ますと、アンケートに回答した1920医療機関中、90%以上の施設で産業医の選任やストレスチェックは行われていました。表向きの体制は整えられているようです。

しかし、たとえば、長時間労働をしている医師の面接指導が実施されているのは約25%にとどまっていました。

労働安全衛生法では、長時間労働のために疲労の蓄積が認められる申出のある労働者に対して医師の面接指導を実施する必要があります。事業者はそのための仕組みを整備する必要があるのです。

月の時間外労働時間が合計100時間を超える場合は義務、80時間を越える場合は努力義務です。

すなわち、医療機関における既存の産業衛生の仕組みが十分に活用されているか、という点に関して非常に心もとない結果といえます。

2018年2月にこの検討会で取りまとめられ、3月に医療機関に広く周知された「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」に、「既存の産業保健の仕組みの活用」が6つの柱のうちの一つとして取り上げられているのは当然の流れだったわけです。

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最終更新:2/20(水) 12:27
BuzzFeed Japan

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