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モノレールと新交通システム、なぜ大きく広がらない? その特徴とジレンマ

2/20(水) 16:10配信

乗りものニュース

新交通システムが登場

 もうひとつ、1980~90年代に整備促進されたゴムタイヤの交通機関が、神戸のポートライナー、大阪のニュートラム、東京ではゆりかもめや日暮里・舎人ライナーに代表される「新交通システム」です。

 しばしば混同されるモノレールと新交通システムですが、ゴムタイヤで走る立体交差化された中規模都市交通機関という意味では、同じ役割を担う存在です。すでに実績のあるモノレールに対し、新たに新交通システムの導入が進められた背景には、ライセンスで保護され競争入札ができないモノレールに対し、旧建設省(現在の国交省)が標準規格に基づき各メーカーで競争入札が可能な新交通システムの導入を積極的に進めてきた経緯があります。

 このころ、建設省はまずガイドウェイバス(かんたんに言うと、ハンドル操作することなく側壁に沿って曲がるバス)用の高架橋を建設し、需要が増えた段階で新交通システムに転用する「デュアルモードシステム」を検討していました。建設省の立場からすれば、モノレールしか走行できない桁よりも、道路としても使える高架橋を造りたかったというのが本音だったのでしょう。

 この構想に基づいて整備された事例として、1985(昭和60)年に開通した茨城県土浦市の高架道路「土浦ニューウェイ」は、将来の新交通システム転換を想定した設計になっています。

 モノレールや新交通システムに代表されるゴムタイヤ鉄道の最大の弱点は、規格統一と普及が実現されない限りコストが削減されず、そしてコストが下がらないと本来の役割が果たせないというジレンマにあります。

 鉄道とバスのあいだを埋めるために登場したゴムタイヤ鉄道ですが、地下鉄は急勾配や急曲線に対応できるリニアモーター式の地下鉄でコストダウンを実現し、バスは公共車両優先システム(PTPS)の活用で高機能化(BRT化)が可能になったことで、既存路線の延伸を除けば、今後の新規開業はなかなか難しいのかもしれません。

枝久保達也(鉄道ライター・都市交通史研究家)

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