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「ダウンロード違法化」に意見表明続く AICJ「日常的な行為が広く違法となりかねない」 note「クリエイティブを阻害する」

2/22(金) 13:10配信

ねとらぼ

 違法にアップロードされたものと知りながらダウンロードすることを全面的に違法とする著作権法改正案について、アジアインターネット日本連盟(AICJ)が意見を表明しました。インターネットにおいて著作物含むさまざまな情報の流通が革新的なビジネスや産業・文化の健全な発展・成長に寄与してきたことを踏まえ、今回の改正案について政府は慎重に議論を重ねるべきと意見しています。

【画像】違法の可能性が考えられる行為

 文化庁では出版業界の要望や海賊版サイト問題を受け、著作権法における違法ダウンロード(※)の範囲を、現在の音楽と映像のみから見直すことを検討してきました。しかし2019年2月13日の会議で、範囲を漫画や論文など著作物一般に広げる方針で固まったことが明らかになり、「ネットの利用を萎縮させる」「資料集めが難しくなる」と、ネットユーザーやクリエーターから批判の声が相次いでいました。

※違法にアップロードされたことを知りながらコンテンツを私的にダウンロードする行為のなかでも、著作権法違反と定められているもの

 AICJは、「インターネットという手段を通じて産業・文化が発展していくためには、より豊かな著作物が創られることも不可欠であり、その創造を阻害するような違法著作物等の流通を止めていくこともまた重要」と説明。しかし今回の検討は、国民が広く一般的に行っている行為に過度な萎縮効果を及ぼすものではないかという強い懸念がさまざまな立場から表明されていることから、「十分に検証しつつ制度設計をすべき」と意見しています。

 また、権利者の利益を不当に侵害するとして対策が求められていたのは、海賊版サイトが無断で漫画家の作品をアップロードしているような「無断複製された有償の書籍(漫画・雑誌・文庫等の出版物)」をダウンロードする行為であり、それ以外の著作物のダウンロードに規制を及ぼすべき立法事実は何ら示されていないと指摘。

 仮に立法化を進めるならば、実社会におけるさまざまな個々人の活動に不都合が生じないよう、規制対象を深刻な被害を軽減するものに限定すべきとのこと。少なくとも民事的規制・刑事罰ともに「原作のまま」「著作権者の利益が不当に害される場合に限る」という要件を定めることが必要で、今回検討されている「主観的要件や常習性」という限定の仕方では、日常的に行われている行為が広く違法となりかねず、不十分だと否定しました。

 AICJは、今回の「ダウンロード違法化の対象範囲の見直し」により想定できる国民の萎縮効果を一覧にして公開。違法になる可能性がある日常的行為として、作家・漫画家などが資料収集目的で合法・違法を問わずメモとして情報を記録・保存すること、SNSで漫画のキャラクターなどを無断使用しているアカウントが重要な情報の書き込みをした場合にスクリーンショットでそのページを保存する行為などをあげています。

 Webサービス「note」や「cakes」を運営するピースオブケイクも意見表明文を公開。文化庁の報告書について、1.将来のクリエイティブを阻害する可能性が高いこと、2.現在のクリエイティブを守るのにも有効ではなく、むしろ流通を阻害するデメリットをもたらす可能性が高いこと、2つの理由から、反対の立場を表明しています。

 著作権法では第一条で法律の目的として「文化の発展に寄与することを目的とする」ことを掲げていると説明し、「著作権法の立ち位置は、あくまで表現の自由に従属するものであり、ダウンロードの違法化は限定的であるべきです。産業サイドの一方的な事情を優先にして、クリエイターの創作を阻害したり、リスクを押し付けるようなことがあってはなりません」と、見直しの内容を非難しました。

 一方で自民党は22日の合同会議で、文化庁が進めている改正案について了承したと報じられています。

ねとらぼ

最終更新:2/22(金) 13:10
ねとらぼ

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