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伊藤忠社員はなぜ中国で拘束されたのか

2/24(日) 7:02配信

ニッポン放送

2月15日、外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦がニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」出演。中国で伊藤忠商事社員が拘束され、起訴された情報について解説した。

中国が伊藤忠の社員を去年2月に拘束

中国広東省広州市の国家安全局が去年2月、スパイ行為の疑いで大手商社 伊藤忠商事の40代の男性社員を拘束していたことが分かった。この男性は中国広州市で中国企業と合同で行っているリニア地下鉄の事業に携わっていたということです。

飯田)去年2月に起こって発覚から1年です。この社員は、拘束当時は東京本社の所属で直前までリニアの仕事をしていて、中国には旅行で滞在していたということです。

宮家)中国にとって、外国人は基本的にみんなスパイだと思われています。

飯田)そうなのですか?

宮家)なぜかというと、中国のシステムでは外国に行っている中国人は誰でもスパイになり得ると思っているからです。まして通信社なんて絶対スパイだと思っています。日本の通信社の人には可哀想だけど、彼らは日本のスパイだと思われているわけです。これがまず違う。でも、日本にでは対外スパイ組織、諜報機関は無いです。ですから定義上は日本にはスパイはいないわけで、まずここで日中はぶつかります。

中国では経済の情報も国家機密

宮家)次に、中国の場合は内政の延長としてこの問題が取り上げられるケースが多いのですが、結局は2015年あたりから、習近平政権が変わって、新しい政権の下で締め付けが中国国内でも厳しくなっています。それに連座しているやつとか変なやつがみんな、外国の人も外国にいる中国人も、嫌疑を受けるわけです。そういう流れがあって、さらに最近ではファーウェイのケースのようにがあって、スパイ罪でカナダ人を10数人捕まえています。そういう形で外国への報復にも使えると言う意味で、は彼らにとっては当たり前の行為なのことです。でも日本の企業が中国に対してそんなことをするとは思えない。商社の人たちが政治的な機微の話をしても、何の儲けにもならないわけだから、やる必要はあまり無い。普通のビジネスの仕事をしていたのだと思いますが、中国にとっては経済の情報も国家機密だから、当然スパイになるわけです。どう考えても可哀想だと思います。

飯田)日本人の感覚だとまったく問題無いことが、向こうでは問題になってしまう可能性があるということですか?

宮家)だと思います。ときと場合、TPO間違えたらそうなります。同情するし、日本政府もおそらく過去1年間早い段階で知っていたかもしれません。だけどそれはプライバシーの問題もあるし、いろいろな問題があるから静かに水面下で働き掛けをやっていたのだと思います。

ただこういう形で出るということは、彼らも中国側も何かの次のステップを取るための動きものなのかもしれません。それは考えたくないですけれどね。

彼らは平気でこういうことをやるような国だということは理解していかなくてはいけません。どんなことがあっても、どんなときにどういう形で捕まってもおかしくないと思っていただいた方が良いと思います。

飯田)既に何の容疑か分からりませんが、初公判が行われている。ただ判決がまだ出てない。そうすると次のステップ、判決の部分が近付いている……

宮家)そういうことですよね、嫌ですよね。

飯田)しかし、公安部の下部組織が動いているようなことですよね。そうすると外交部、外務省からすると手出しできないということですよね?

宮家)外交部は力ありませんから。

飯田)力が無い。ここが日本と違うところですね。

宮家)日本の外務省が全面的に力があるとは思わないけれども。それなりの政策の立案と実施を両方やっているのが日本でありアメリカの外交当局です。中国の外交部は政策の立案権限が無いと思います。それはおそらく党が全部握っている。ですからその意味でこのような問題、特に自分の所掌訴訟の問題でも無いことについて外交部に期待してもあまり……という感じですね。

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最終更新:2/24(日) 7:02
ニッポン放送

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