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[ニュース分析]金正恩の列車大長征…「改革開放の広州」自ら視察か

2/25(月) 8:01配信

ハンギョレ新聞

金正恩はなぜ列車を選んだか 中国通過する距離だけで4千キロメートル 全幅支援受けて朝中協力を強調 広州視察すれば、改革開放メッセージに 朝中ベトナムの社会主義国家協力のメッセージ 対外的にトランプを圧迫し内部取り締まりの効果も 文大統領の構想と一致する「鉄道協力」の意志

 金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長が「27日から28日までベトナム社会主義共和国のハノイ市で進行される2回目の朝米首脳対面と会談(朝米首脳会談)のために、23日午後専用列車で平壌駅を出発した」と労働新聞が24日付1面で報道した。金委員長は、ベトナムのグエン・フー・チョン共産党総書記兼国家主席の招請で「公式親善訪問することになる」と労働新聞が日時を特定せずに伝えた。

 金正恩委員長は、航空便を利用せずになぜあえて専用列車に乗ったのだろうか。平壌~ハノイは、専用機なら5時間で充分だ(飛行距離2760キロメートル)。 一方、列車では4500キロメートル、中国国内の通過距離だけで4000キロメートルに達する“三日間大長征”だ。もちろん金委員長が「専用列車+大鷹1号(専用機)」を組み合わせたり、中国の高速鉄道または専用機を借りて乗る可能性も残っている。ただし、現在までの情況では、専用列車が主な移動手段になる可能性が相対的に高く見える。韓国政府関係者は「朝米会談の日程と専用列車が平壌を離れた時点を考慮すれば、金委員長が(主に)専用列車で移動する可能性が高く見える」と話した。

 金委員長の“列車大長征”は、祖父の金日成(キム・イルソン)主席が二度のベトナム訪問(1958年11月27日~12月3日、1964年11月8~16日)に事実上中国が提供した専用機を利用した先例とも異なる選択だ。“5時間移動”の代わりに、あえて“三日間移動”を選択した金委員長の判断は、普段から「国際的水準」と「実用」を強調してきたリーダーシップスタイルと似合わない。「時代錯誤的選択」という外部の批判が予想されるにもかかわらず“列車大長征”を選択したのは、2回目の朝米首脳会談を契機に内外に投げようとする戦略的メッセージと便宜性をすべて考慮した結果だろうという観測が多い。何より“列車大長征”は「一つの参謀部」を自認する朝中の戦略的協力、広州など中国南部の改革開放拠点視察、金日成・金正日からつながるリーダーシップの“歴史的連続性”を強調するための布石と解説される。

 まず“列車大長征”は、中国の習近平指導部の全面的な協力と支援なしには選択できないカードだ。中国は現在30億人が移動するという春節連休「特別輸送期間」(1月21日~3月1日)だ。当局の徹底した交通統制は、中国人民の不便・反発につながらざるをえない。中国指導部がこうした国内政治的負担を担うという事実自体が、強固な朝中協力の“証拠”になりうる。習近平指導部が「それ相応の価値がある」と判断したという意味でもある。金委員長としては、昨年の6・12シンガポール会談の時「大鷹1号」ではなく中国が提供した専用機を利用した先例のように、“列車大長征”パフォーマンスで「私の後ろには中国がいる」というメッセージを発信しようという判断があるようだ。

 “列車大長征”には、ベトナム指導部の全面的な協力・支援も必須だ。公式的には「社会主義国家」を自認する朝・中・ベトナムの三角協力を「社会主義連帯」と宣伝することができる。朝中協力の喚起が内外にあまねく送るメッセージならば、「社会主義三角連帯」は金委員長の「非核化決断」の結末を心配する北朝鮮内部の一部勢力に向けた対内用メッセージとして活用されうる。

 “列車大長征”は、ベトナムと国境を接する萍郷に達する前に、天津~武漢~長沙~広州を経なければならない。広州は、トウ小平が設計・実践した「改革開放」の際立つ象徴だ。「経済への集中」を明らかにした金委員長の“列車大長征”が、改革開放の意志の表明と解釈されうるわけだ。事情に明るい消息筋は「金委員長がハノイからの帰途に習近平国家主席と会談する可能性がある」と話した。金委員長は、初の朝米首脳会談の前後に、習主席と2・3次会談(2018年5月7~8日大連、6月19~20日北京)をしており、1月7~10日にも北京を訪れ習主席と4回目の会談をした。

 金委員長が“列車大長征”の途中で中国南部の広州でイベントをすれば、「祖父と父の道」を繋いで、改革開放のメッセージを発信する効果を上げることができる。列車を利用した首脳会談方式は、それ自体が「金日成・金正日(キム・ジョンイル)のリーダーシップ」を連想させる国内政治的効果がある。金日成主席は1958年11月に広州に立ち寄った。金正日総書記は2006年1月に広州・珠海・深セン・武漢など「トウ小平南巡講話」(1992年1月18日~2月22日)の拠点都市を視察した。金主席が58年と64年の訪中を契機にベトナムを訪問したとすれば、金正恩委員長のハノイ行きで中国は公式には“経由地”という性格の違いがあり、金委員長がどのような選択をするかはさらに見守る必要がある。ただし消息筋は「金委員長が広州などを視察する機会を別途捉えることは容易でなく、今回立ち寄る可能性が高い」と見通した。

 金委員長の“列車大長征”は、4・27板門店宣言と「9月平壌共同宣言」に明示された「南北鉄道・道路の連結および現代化」合意と文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「東アジア鉄道共同体」構想の延長線で「多者鉄道協力」の意志を表わすとも言える。一部では、金委員長の“列車大長征”が、身辺安全の憂慮のためだと指摘しているが、説得力が弱い。身辺安全の憂慮が核心ならば、金委員長が専用列車で平壌を発った事実を労働新聞がすぐに公開する理由がないからだ。

 “列車大長征”を「業務の連続性など利便性を重視した実用的選択」と解説する見解もある。消息筋は「専用列車は通念とは異なり、宿泊、会議、通信などが便利で、金委員長がトランプ大統領との談判準備に集中できるだろう」と指摘した。

イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:2/25(月) 8:01
ハンギョレ新聞

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