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スクショもリツイートもダメ!? 「著作権法改正案」のポイントは?

2/26(火) 19:03配信

TOKYO FM+

中西哲生がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「クロノス」。2月25日(月)放送の「クロノスPLUS」のコーナーでは、弁護士法人エースの鹿野舞弁護士に、近々通常国会に提出される見通しの著作権法改正案について伺いました。

著作権法は、著作権者の権利を認めることによって文化の発展に寄与することを目的としたもので、他人の著作物を無断で利用してはならないというのが原則だと鹿野さんは言います。とはいえ、無断利用への取り締まりを厳しくし過ぎてしまうと、かえって文化の発展を妨げてしまうことも考え得ることから、現行の法律では著作者の権利を侵害しないかぎり、例外的に利用を認めるというニュアンスで規定されているそうです。

保護対象となる著作物は、小説など言語が記されたものから、音楽、舞踊、絵画、建築、映画、写真などさまざまで、現在、インターネット上には数多くの著作物が掲載されています。
インターネット上からそれらをダウンロードしたり、コピーしたりする行為について、鹿野さんは「著作権法の原則を貫くと違法となる」と言います。しかし、それでは不便過ぎるため、「例外として、個人的に使うだけであれば、無断でダウンロードやコピーをしてもいいと定められています」と説明。これを「私的使用目的の複製」と言い、あくまでも私的な使用を目的としたものに限ってコピーをすることが認められているそうです。私的な使用とは,自分で見たり読んだり,聴いたりすることです。

一方、無断でダウンロードやコピーしたものをWeb上で公開するなどの行為は使用ではなく「利用」に該当するので,現行法上でも禁じられています。さらに、違法にアップロードされた音源や映像を、違法だと知ったうえでダウンロードする行為はたとえ,私的使用目的であっても禁止されています。
ただ、現行法では許されない私的使用目的の対象が違法にアップロードされた録音・録画のみであって,違法にアップロードされた静止画は規制対象に含まれていないため、抜け道のように雑誌やマンガを複製した海賊版サイトが横行していました。これらをスクリーンショットしても違法にはならないというわけです。このようなサイトの拡散を取り締まることを主な目的としたのが、今回の著作権法改正案です。改正案では、違法にアップロードされた静止画も新たに規制の対象となるため、こうした海賊版サイトの絵や写真のスクリーンショットを撮ることも違法となります。

そこで、今回の改正案で注意すべき点を鹿野さんが解説。あくまで禁止されているのは違法にアップロードされている著作物のスクリーンショットであり、「公式サイトなどに掲載されているものは合法のファイルなので、(私的使用のために)スクリーンショットをおこなっても特に問題はない」と説明します。

さまざまな情報が飛び交うインターネット社会では、違法にアップロードされたものかをどうかを判断するのも難しいもの。例えば、著作権者が「このサイトは違法だ」と明言している海賊版サイトをスクリーンショットするような行為は、明らかに違法性が高いと鹿野さん。一方、著作者が本の内容の一部をインターネット上に公開していて、これをスクリーンショットで保存することは問題ないそうです。
しかし、「(Twitterでの)引用リツイートは、場合によっては複製にあたってしまう可能性があるので、注意が必要」と警鐘を鳴らします。引用する行為自体は法律上認められているものの、方法やその引用元の内容などによるそうです。

また、今回の改正案に対し、知的財産法や情報法の研究者らからは「違法とする行為を絞り込むべき」との緊急声明があり、日本マンガ学会からは反対声明が発表される事態となっています。
鹿野さんが問題点として挙げていたのは、海賊版サイトに対する取り締まりが大きな目的でありながら「(ダウンロードしない)ストリーミングによる閲覧は合法とされている点」です。
改正案においても、ストリーミング方式で海賊版サイトを閲覧しても問題にならないため、日本マンガ学会は、「(我々が)取り締まってほしいことを取り締まってくれていなくて、自分たちの活動は阻害されてしまう」との懸念を示しています。これには鹿野さんも「個人的には共感できる部分がある」と同感の様子。

そして、「あくまでも私見ですが……」と前置きしたうえで、改正案が施行されても「実際は現状とあまり変わらないと思う」と鹿野さん。「スクリーンショットが規制の対象となっても、そもそも違法な画像をアップロードしている側のほうが問題で、そちらが黙認されている以上、スクリーンショットのみを違法として取り締まることは考えがたい」と、見解を述べます。とはいえ、「(違法行為にあたる)危険性は常に伴うので、しっかりと認識は持っておいたほうがいい」と注意喚起していました。

(TOKYO FM「クロノス」2019年2月25日(月)放送より)

最終更新:2/27(水) 10:58
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