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”18歳になったら原則退所”児童養護施設の出身者が語る厳しい現実

2/28(木) 10:50配信

AbemaTIMES

 退所者が直面する問題は、就職の場合でも同様だ。NPO法人「ブリッジフォースマイル」によれば、3年後には44.7%が離職しているという。この数字について田中さんは「働いている時の不安を話せる相手がいない。心の部分で折れちゃう子が多いのがこの統計の表れじゃないかなと思う」と話す。

 施設で共に過ごした仲間たちとも自然と疎遠になり、施設にも相談することはできたが、やはり唯一の支えは姉だけだったという。そして田中さんは「こういう生い立ちでも好きな自分になれるということを伝えたい」と考えモデルを目指すことを決意。講演活動も継続している。

 リディラバの安部敏樹氏は、今回の事件により施設に関わる人や入所者への偏見が生まれることを危惧、「施設で働く人も含め、非常に重要な存在。より多くの職員が配置された方がいいのに、志望者が減ってしまうのはすごく困ること」とした上で、「最近では青山学院大学が児童養護施設の出身者を受け入れる枠を作ったが、その手前の平等すら担保されていないと思う。大学進学率が5割を超えている今、児童養護施設の退所者に対しても、18歳からの4年間はちゃんとサポートする制度が必要だ。もちろん事情は個別に違うし、本人の努力の問題もあるが、子どもの責任によらない不平等は解消しなければならない」と指摘。コラムニストの犬山紙子氏も「評論家の荻上チキさんが、“ベーシックインカム“ではなく、“ベーシックキャピタル“ということをおっしゃっている。これは18歳や成人になったタイミングで、子どもに対して当面の勉強に励むことができるような一定額を支給する制度。これができれば進学を選択する子が増えるかもしれないし、貧困からの脱出もできるかもしれない」とコメントした。

 最後に田中さんは施設入所者、そして退所者に向けて「今は施設を出た人向けのアフターケア事業というものも増えている。まずは自分で調べてみること。悩み相談出来ないという人は、ぜひ私に連絡を下さい」とメッセージを送っていた。

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最終更新:2/28(木) 12:45
AbemaTIMES

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