ここから本文です

のら猫沖縄上映大作戦 『君の笑顔に会いたくて』の巻

3/1(金) 15:17配信

47NEWS

 米アカデミー賞授賞式とともに、私の中で「映画シーズン」が開幕する。

 1月サンダンス映画祭、2月ベルリン映画祭、4月香港映画祭、そして5月にはあのカンヌ映画祭もある。

 1年中、世界のどこかで映画祭は盛り上がっている。

 アカデミー賞が全てじゃないけれど、この授賞式の前後から、私の映画づけの1年が始まるように感じるのだ。

 映画祭の下馬評で周囲が盛り上がったり、自分も予想して楽しんだりしていると、映画を見に映画館へ足を運ぶ人が増えるのではないかなと期待してみたりする。

 毎年世界中で様々な映画が誕生する中、数奇な運命を辿る映画というものが世の中には存在する。

 私のデビュー作も、数奇な運命を辿って誕生した映画だった。

 完成したものの、鈴木清順監督の『殺しの烙印』よろしく〝お蔵入り〟の烙印を押された。長らくフィルムは倉庫の中で眠る運命に。

 そのフィルムを、監督が所属するディレクターズ・カンパニー(通称ディレカン)と私の所属するエピック・ソニーが買い取った。

 しかし、劇場公開するには少々「尺」が足りないので、ビデオカメラで追加撮影した映像を足して完成させた。

 息吹を込め、タイトルも新たに、渋谷パルコ劇場での公開にこぎ着けることができたのだった。『ドレミファ娘の血は騒ぐ』(1985年・黒沢清監督)の話である。

 ふと考えるに、その運命はまるでフィルム・ノワールさながらだった。

 数々のひとびとが交錯し、終いにはフィルムそのものがにょろにょろと蛇行。するするトグロを巻いたかと思いきや、知らぬ間に映写機にかかって暗闇に映写され、ひとびとを魅了するというストーリー。

 まるで映画に出てくるような運命を背負って誕生し、今も愛され続けている作品だ。

 数奇な運命を辿る映画作品は世界中に数多くあるだろう。

 多くの観客の目に届かない作品や、一切劇場公開しない作品もある。 

 今回のアカデミー賞に最多ノミニーされた『ROMA/ローマ』がそうだ。NETFLIX製作・オンライン配信オンリー。

1/4ページ

最終更新:3/4(月) 10:54
47NEWS

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事