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エアバスA380生産中止 航空業界の低コスト化で超大型機は苦戦

3/1(金) 11:40配信

THE PAGE

圧倒的な室内空間を生かしたサービスで顧客から支持

 これまで何度も生産中止が取り沙汰されてきた、総2階建て超大型機エアバスA380の生産打ち切りが決定しました。

超大型機は圧倒的な室内空間の広さや静粛性が好評を博し、一部の顧客から熱烈に支持されてきました。しかし、航空機はもはや路線バスと同じような存在であり、効率が最優先される時代です。取り回しに難のある超大型機は今後、生産されない可能性が高いでしょう。

 エアバスA380はジャンボ(ボーイング747)を超える超大型機として、2005年にデビューしました。ジャンボは一部だけが2階建てでしたが、A380は総2階建てとなっており、圧倒的な客室スペースを生かした豊富な機内サービスが魅力となっています。

 これまでエミレーツ航空を中心に200機以上が空を飛んでいますが、このところ受注残が減少しており、新規受注がほとんどない状態が続いてきました。最大の顧客であるエミレーツ航空は現在109機を運航中で、53機を継続注文していました。しかし同社が39機をキャンセルしたため、エアバスのエミレーツからの受注は14機に減少。他の航空会社からもキャンセルがあったことから、受注残が大幅に減っており、2021年に生産が止まる可能性が高まってきました。このためエアバスではA380の打ち切りを決定しました。ちなみに日本の航空会社では全日空(ANA)が3機注文しており、2019年5月に成田-ホノルル路線に就航予定です。

背景には「航空輸送需要の拡大」と「低燃費機種の台頭」

 超大型機で苦戦しているのはエアバスだけではありません。ジャンボの愛称で親しまれたボーイング747も事実上、生産中止に近い状況にあり、貨物機以外での新規生産はほとんど行われていません。

 A380やボーイング747といった超大型機が苦戦していることの背景となっているのは、全世界的な航空輸送需要の拡大と低燃費機種の台頭です。

 新興国の経済成長に伴って航空需要が拡大したことから、安価なLCCが急成長し、航空業界は一気に低コスト化が進みました。LCCはコスト勝負なので搭乗率を極限まで上げる必要があり、取り回しのよい中小型機が歓迎されます。またボーイング787など、超大型機でない機種も燃費の向上で長距離を飛べるようになり、路線選択の自由度が増しています。巨大な需要が常に存在する主要路線しか飛べない超大型機は基本的に歓迎されなくなってしまいました。一部の熱烈なファンは落胆していますが、これも時代の流れといってよいでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:3/1(金) 11:40
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