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「サービス」を売る時代が本格到来! 週刊BCNが福岡でSIer・リセラーのためのITトレンドセミナーを開催

3/1(金) 16:56配信

BCN

 週刊BCNは3月1日、福岡市の福岡県Ruby・コンテンツ産業振興センターで「SIer・リセラー必見!有力商材で広がるITビジネスセミナー」を開催した。タイトルどおり、法人向けIT市場の注目ベンダーがSIer・リセラーを対象に自社の最新技術・商材やパートナープログラムをプレゼン。さらに、識者がIT市場のテクノロジーやビジネスモデルのトレンドを解説した。

 基調講演には、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター主幹研究員の砂田薫氏が登壇。「超スマート社会に向かう産業メガトレンド」と題して講演した。まずは日本政府が超スマート社会を志向して掲げる「Society 5.0」の概念について解説。「Society 5.0は、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会と定義されているが、重要なのは“人間中心”という部分」として、人間中心の先進的なデジタル社会を実現しつつある事例として北欧諸国の取り組みを紹介した。砂田氏は、「例えばデンマークは、人間中心の仕組みづくりに有効なデザイン思考をもとに電子政府への取り組みなどを進めてきた。米国はデジタルによる市場拡大に貢献してきたが、北欧はデジタルによる福祉の拡大に取り組んでいるのが特徴」だと説明した。

 また砂田氏は「IoT・AI・ロボットなどの普及によって、あらゆる業界で大きな構造変化が起こり、超スマート社会へ向かうデジタル化の進行によって、あらゆる産業の境界が融解しつつある。それに伴い、シェアリングエコノミーに代表されるように社会の全体最適と、企業や顧客の便益の個別最適が両立するようになった」と指摘。こうした産業構造や価値観の変化に対応することが、Society 5.0の実現に向けた大きな課題になるとの見解を示した。

 各セッションでは、市場で注目を集める製品・サービスのベンダーが自社製品のメリットやパートナー戦略を説明した。

 セッション1ではKDDI クラウドサービス企画部マネージャーの内山裕介氏が登壇し、「フローからストックへ。KDDIのベアメタルサーバーサービスが可能にする、月額収益型ビジネスへの変革」と題し、同社のクラウドビジネス戦略を解説した。内山氏は、「調査会社のレポートなどでも国内のクラウド市場は堅調で、特にプライベートクラウドの成長が拡大していくと言われている。しかし、複雑なカスタマイズが必要だったり、OSやソフトウェアのバージョンの種類、ライセンス体系の問題などでクラウド化が難しいシステムも存在している」と、クラウド化の阻害要因を説明。そうした課題を乗り越えるために、同社は昨年10月より、クラウドサービスのラインアップに専有の物理サーバーをオンデマンドで提供するベアメタルサーバーを加えた。「オンプレミスとクラウドのいいとこ取りと言えるサービスで、Oracle DBなど仮想化環境に適さないライセンスをクラウドに持ち込みたい場合でも柔軟なシステム設計ができる。また、クラウドとの接続やデータ転送を安定したネットワークでしかも無料で行うことができるのも大きな特徴」だとした。KDDIは、ベアメタルサーバーを含む同社のクラウドサービスの再販パートナーや、KDDIの既存顧客のシステム開発を担うパートナーを募集しているという。内山氏は、「お客様のシステムのクラウド化を一緒に推進し、クラウド事業をWin-Winで育てていけるパートナーと積極的に協業していきたい」と呼びかけた。

 セッション2では、「SystemEverで始めるサブスクリプション型ビジネス」と題して、Everジャパン社長の前田朝雄氏が講演した。Everジャパンは韓国の有力ERPベンダーである永林院ソフトラボの日本法人で、中堅・中小企業向けのクラウドERP「SystemEver」を主力商材として、日本市場での成長に取り組んでいる。前田氏は、「韓国で先行してクラウドERPの非常に豊富な実績を積んでいるので、より市場の大きい日本でもパートナーの皆さんと一緒にビジネスを拡大していきたい」と説明。日本では、会計ソフトの導入にとどまるなど、基幹業務が統合的にシステム化されていない売上高50億円未満の企業をメインターゲットに拡販を進めていく。「SystemEverはユーザーがインフラを用意・管理する必要がないSaaSであるためTCOが低く、カスタマイズもほとんど必要としない。既存のERPと比べると非常に低コストで導入が可能。日本ではなかなかコストの問題でERPが普及しなかった中小企業層を顧客対象として、新しい市場をつくることができると考えている」という。また、日本ではパートナービジネスを中心に拡販していく方針。「SaaSであるSystemEverはサブスクリプション型のビジネスモデルであり、担いでいただくパートナーにとっても、安定収益が見込める。Everジャパンはお客様からいただく月額利用料の一部しか受け取らず、パートナーが付加価値サービスで儲けられる余地は非常に大きい」と、パートナーに提供できるメリットが大きいことをアピールした。

 セッション3では、「クラウドバックアップ&DRサービスの月額提供を初期設備投資ゼロで実現する Acronis Data Cloud」と題して、アクロニス・ジャパン クラウドセールスマネージャの古舘與章氏がプレゼンした。古舘氏はまず、自然災害の脅威やサイバー攻撃の高度化などにより、企業におけるBCPの重要性が高まっていることに言及。一方で、IT商材のユーザーへの提供形態も、モノ売りからサービス化にシフトしてきていることを指摘し、バックアップの世界でも「データ保護をサービスとして提供していくことが顧客獲得・維持のカギになる」と強調した。アクロニス・ジャパンは14年12月から、国内で次世代型クラウドデータ保護サービスプラットフォームの「Acronis Data Cloud」を提供している。古舘氏は、「バックアップソフトの競合ベンダーは多数存在するが、サービス提供に必要なハード、ソフト、ストレージ、データセンターの全てをベンダー側が提供し、初期投資ゼロで使うことができるのはAcronis Data Cloudだけ」と競合ベンダーに対する優位性を説明した。さらに、サービス提供内容のカスタマイズやパートナーが自社ブランドとしてデータ保護サービスを提供するためのホワイトラベル機能など、パートナーが付加価値を発揮したり、柔軟にビジネスを組み立てやすくなる仕組みも充実させていることを強調した。

 主催者講演では、週刊BCN編集長の本多和幸が、エンタープライズITビジネスの技術トレンドやビジネストレンドなどについて取材情報を基に解説した。

最終更新:5/15(水) 10:21
BCN

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