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中国がスーダン企業をフロント化 変わる世界の武器市場 背後にはオイルマネーの力も

3/2(土) 11:06配信

乗りものニュース

背景にはもちろん中国の急成長、それを促すオイルマネー

 中国の防衛装備品メーカーは、ヨーロッパの防衛装備展示会にはほとんど参加していません。このためヨーロッパを中心に取材活動をしている筆者は、「IDEX」でしか中国製防衛装備品の実物や模型の展示を目にする機会が無いのですが、今回の「IDEX」でも、アメリカやヨーロッパ企業に匹敵、さらには一歩先を行く防衛装備品の展示を目の当たりにして、中国の防衛装備品開発技術の急成長を改めて実感しました。

 具体的には、たとえばドローンやUAV(無人航空機)などに対処する、出力10kwから30kwのレーザー防御システム(いわゆるレーザー兵器)「サイレントハンター」、地上からの発射後30分間、上空で滞空できるミサイル「CM-501XA」、多数の無人機が群れをなして攻撃を行なう「スウォーム」技術を取り入れたUSV(無人水上艇)「XLOONG」、横揺れが少なく甲板面積を大きくできる、3つの胴体を甲板で並行に繋いだ三胴船の「3000トンフリゲート」といったものが挙げられます。

 こうした最先端の防衛装備品の開発には、当然のことながら巨額な資金を必要としますが、その資金の一部は「IDEX」の開催国であるUAEをはじめとする、湾岸産油国からもたらされています。

 中東諸国には、原油の輸出で得た資金を活用するための投資ファンドが多数存在していますが、いくつかのファンドは兵器メーカーが開発、製造する製品に対する出資も行なっています。

 これまで投資ファンドの出資先は、アメリカや西欧の企業の製品が中心でしたが、近年では中国企業への投資も増えつつあり、中国のUAV「翼龍」などの開発に出資しているほか、今回の「IDEX」では、中国とUAEが共同で、防衛装備品技術の共同研究機関を設立していたことが明らかにされています。

 いまのところ湾岸産油国にとって中国は、欧米諸国やロシアと同様、防衛装備品やその技術の供給国のひとつという位置づけですが、中国が湾岸産油国から得た資金で防衛装備品の技術力を高め、また日本の重要な資源の供給源である湾岸産油国とのあいだで、防衛装備品の輸出や技術供与を通じて結びつきを強めているという現実は、日本にとって軽視できる話ではないと筆者は思います。

竹内 修(軍事ジャーナリスト)

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最終更新:3/2(土) 12:18
乗りものニュース

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