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東日本大震災の犠牲者死因 東北大が分析 溺死以外の死因も明らかに

3/2(土) 17:00配信

THE PAGE

 東日本大震災で亡くなった犠牲者のうち、宮城県警が記録を持つ9527人について、東北大学災害科学国際研究所が死因を分析し、体系化した。これまで警察庁の分類では「溺死」、「不詳」、「焼死」、「損傷死・圧死・その他」の4分類だったが、「損傷死・圧死・その他」をより詳細に分けたことで12分類になったという。溺死と不詳を除いた死因では、焼死、窒息、頭部の損傷の順で多かったことも分かった。分析結果は2日、土木学会東北支部技術研究発表会で発表された。

溺死以外の死因を明らかにする必要性

 分析を進めたのは、同研究所の今村文彦教授(津波工学)、門廻充侍(せと・しゅうじ)助教(同)、舟山眞人教授(法医学)らの研究チーム。

 東日本大震災の東北3県の犠牲者の死因は溺死がおよそ9割とされているが、災害現場から▽津波に巻き込まれ、水から上がれたが、外傷が激しく、当日の夜に亡くなった▽濡れた服のまま避難、割れた窓から吹き込んだ冷気によって体温を奪われ、低体温症で亡くなった――などの報告があったことから、今後の津波対策を考えるうえで溺死以外の可能性を考慮しなければならないと考え、そのためにはまず死因の傾向を明らかにする必要があるとして、分析を進めた。

死因を12種に分類 溺死には複合要因の可能性も

 宮城県警から提供された犠牲者情報は9527人。死因や遺体発見場所などが記されているが、書いてある情報にはバラつきがあったという。例えば、遺体発見場所は細かいところまで記されているものがある一方で、市町名しかないものもあった。死因についても、顔面骨折などと細かく書かれたものもあれば、頭部損傷という表記のものもあったという。

 研究チームはこれらを12種に分類。がれきなどで身体的ダメージを受けたことによる死因として「頭部の損傷」「頚部の損傷」「胸部の損傷」「詳細不明の多発性損傷」「外傷性ショック」「窒息」の6種類、水や火、天気など自然環境による死因として「溺死」「焼死」「低体温(症)」の3種類、それ以外の死因として「心疾患」「その他」「不詳」の3種類にそれぞれ整理した。

 12分類した死因の主な内訳は、溺死91.1%、不詳5.1%、焼死0.9%、窒息0.7%、頭部の損傷0.5%、外傷性ショック0.4%など。宮城県警の情報を体系化する過程で、「損傷死、圧死、その他」に関しては細分化したが、溺死、不詳、焼死については検証のしようがないため、元データと割合は変わっていない。ただ、研究チームはおよそ9割とされる溺死についても、頭部の損傷がなければ泳ぐことができた、など複合要因があった可能性はあるとしている。

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最終更新:3/2(土) 17:00
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