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オリンパスがAI活用を加速、プラットフォームにAzureを採用

3/4(月) 8:10配信

MONOist

 日本マイクロソフトは2019年3月1日、オリンパスの次世代製品やサービスを支えるAI(人工知能)プラットフォームに同社クラウド「Azure」が採用されたと発表した。

Azureを活用しAIサービスを加速させるオリンパスの戦略(クリックで拡大)

Azureを採用したオリンパス、AI活用を全領域で進める

 2019年10月に創立100周年を迎えるオリンパスは、主力の消化器内視鏡を筆頭に売り上げのけん引役となっている医療機器分野、顕微鏡などのライフサイエンス分野、工業用内視鏡などの産業分野、デジタルカメラなどの映像分野といった領域で事業ポートフォリオを構成している。

 記者会見に参加したオリンパスで取締役専務執行役員 技術統括役員 兼 技術開発部門長を務める小川治男氏は、「オリンパスが保有するアクセス技術とイメージングセンシング技術はまさに製品を形作る技術。われわれの製品のほとんどがレンズを用いるイメージングが中心となるが、この領域では1万6000件の特許を保有している」と同社の強みを語る。

 同社はさらなる顧客価値の向上のためAIを活用する方針を打ち出し、そのパートナーとして今回選定したのがAzureだった。同社では既に医療機器向けIoTサービスをAzure上に構築しており、医療で求められるセキュリティやプライバシー保護の確保といった運用面での実績を有していた。また、オリンパス自身もAIに関する独自技術を保有しているが、「今後幅広い領域にAIが浸透していくことを考えるとAzureのAPIも利用するシーンも増えていくだろう」(小川氏)とする。

 既に北米で展開しているIoTサービス「Olympus Scientific Cloud」もAzure上で動作するアプリケーションだ。Olympus Scientific Cloudは同社製のセンサーや非破壊検査装置などをクラウドで管理でき、校正証明書の検索やシックネスゲージの測定値ファイルの共有、製品ソフトウェアのバージョンアップといった機能が提供される。小川氏は「基盤を一度作ってしまえばサービスの追加は容易だ。また、われわれの検査機器はラインアップが豊富なので、さまざまな領域の顧客に対して単一のプラットフォームでサービスを提供できる」と同サービスの構築メリットを説明した。

 また、AIを用いた検査データ分析サービスも本格的に展開させる予定だ。「われわれが得意としてきたセンシングにAIを加えることによって、検査者や研究者といった顧客の取り巻く環境にも付加価値を与える」(小川氏)とし、がん細胞の病理画像診断や金属疲労の発見、電子回路基板の検査などを事例として紹介した。また、マイクロソフトとの協業により展開しているプロジェクトでは、工業用内視鏡を用いたジェットエンジンの内部画像をオープンソース深層学習フレームワーク「CNTK(Cognitive Toolkit)」を用いて損傷箇所の自動検知を目指す。

 オリンパスではAzureをベースとしたAIサービスを同社製品全般に広げる。小川氏は「医療や科学領域に限らず、さらに他の領域でもAIサービスを活用した製品開発を進めている。ただ、現時点ではエッジという形でデータを処理しているが、データをより柔軟に取得し解析をより高度なものとするためにはクラウドとの連携が必要だと考える」とし、「セキュアな環境であるAzure上にAIプラットフォームを構築し、フィジカル空間のデータをAIによってサイバー空間で活用する方向性を考えている」と同社の戦略を示した。

MONOist

最終更新:3/4(月) 8:10
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