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不妊治療 広がる支援 命育む負担を軽く 助成や休暇 多角的に 現状と課題を探る

3/4(月) 6:01配信

上毛新聞

 女性の初婚年齢の上昇などを背景に、不妊治療を受ける夫婦が増加傾向にある。保険適用外の高度生殖医療を受けるには、多額の医療費を要する上に、共働きの夫婦にとっては仕事の両立も悩みどころ。医療機関の治療以外に、多角的なサポートが群馬県内で広がりつつある。

 子どもを望んでいるにもかかわらず、1年が経過しても妊娠しない夫婦の場合、不妊症が疑われる。国立社会保障・人口問題研究所の調べによると、2015年に不妊の検査や治療を受けたことがある(現在受けている)夫婦の割合は18.2%に上った。

 県内の自治体で不妊治療への独自の助成制度を設ける動きがあるほか、治療を目的とした特別休暇を認める企業も出てきた。不妊治療における課題と、県内の支援の状況についてまとめた。

◎仕事との両立目指し 群馬県内企業も制度整備

 「どうして私だけ…」。医療機関で働く高崎市の女性(30)。27歳で結婚し、すぐに子どもを望んでいたものの、なかなか授からなかった。自分より遅く結婚した友人から妊娠の報告を受けたときは、複雑な感情が湧いた。

 治療のため市内の専門病院に通院。毎月、排卵時期に合わせて採卵し、体外受精と移植を繰り返した。精神的につらく治療を休んだこともあったが、約8カ月後の昨夏、体外受精で妊娠した。「治療しても必ず妊娠するとは限らないし、金銭面の負担もあった。でも結果的に治療して良かった」と振り返る。3月、待ち望んだ出産の日を迎える。

■年齢も影響

 自然に妊娠することがかなわず、不妊治療を受けるカップルは増えている。日本産科婦人科学会の調査によると、体外受精や顕微授精など生殖補助医療で生まれた子どもは2016年、全国で5万4110人。全出生児(97万6978人、厚生労働省の人口動態統計)の5.5%を占める。06年は全体の109万2674人のうち、1万9587人。10年間で生まれる子どもは約10万人減ったが、生殖補助医療による出生児は約3倍になった。

 妊娠しにくい理由はさまざまだが、同市内で産科婦人科舘出張佐藤病院や不妊治療専門の高崎ARTクリニックを運営する佐藤病院グループの佐藤雄一代表は原因の一つに、年齢が上がることに伴う「卵子の質の低下」を挙げる。キャリアアップを望み、社会人としての経験を積んでから結婚を考える女性が増加。妊娠する年齢も上がり、卵子に影響していると指摘する。「妊娠を希望するならば、年齢も計画に入れて考えてほしい」と助言する。

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最終更新:3/4(月) 6:01
上毛新聞

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