ここから本文です

【1】MR(Mixed Reality)はテレビをどう変える?拡張される未来の視聴体験

3/5(火) 14:43配信

SENSORS

「拡張される未来の視聴体験」をテーマに行われたSENSORSサロン。ゲストに迎えたのは、須田和博氏(株式会社博報堂)と、藤井彩人氏(日本テレビ放送網株式会社)だ。

全3回にわたってお届けする第1弾記事では、「VR」「AR」と並び注目が集まる「MR」について、基礎知識を深めていく。「MRの最終ゴールは、現実と仮想の相互関係をつくること」だと話す藤井氏によると、その活用幅の広さに期待が寄せられているという。

さらに須田氏は自身が手掛けた、国宝「風神雷神図屏風」とMR技術を組み合わせたプロジェクトを例に挙げながら、「VRとMRの違い」を説明した。

「MRコンテンツを製作する機会が多い」と話す落合・齋藤と共に、MRの可能性を探っていく。

草野 絵美(以下、草野):こんにちは、番組アシスタントの草野絵美て゛す。そしてMCは、日本を代表するクリエイター集団、ライゾマティクス代表の齋藤精一さんと、メディアアーティストの落合陽一さんです。

前回は体調を崩してお休みをいただき、すみませんでした。 お2人はどうやって体調管理されているんですか?

落合 陽一(以下、落合):齋藤さんに影響されて鼻うがい始めましたよ。

齋藤 精一(以下、齋藤):めちゃめちゃいいですよね。

草野:鼻うがいするのに何か道具が必要なんですか?

齋藤:ボトルに生理食塩水みたいな液体を入れてグチュグチュってやるんですよ。

落合:鼻うがい始めてから、風邪引かないですね。

草野:私も早速やりたいと思います。

MR技術は、現実を拡張する。VR技術との明確な違いとは
草野:今回SENSORSが注目したテーマは「拡張される未来の視聴体験」です。VRやARなと゛の技術か゛身近になってきているなかて゛、新しい仮想空間「MR」を楽しむための技術にも注目が集まっています。 そんなMRを実際に体験しなか゛ら、今後の生活か゛と゛のように変わるのかを深掘りします。MCのお二人は、仕事でMRを活用されることも多いのではないでしょうか?

落合:MR・VR・ARに関する研究はよくやっていますね。仕事では、MRコンテンツの製作依頼を受けることが多いです。

齋藤:うちも、コンテンツ製作をすることが多いですね。今日は、MRが今後どのように社会に実装されていくのかを聞けるということで、楽しみにしています。

草野:それではゲストをご紹介します。今回お越しいただいたのは、株式会社博報堂の須田 和博さんと日本テレビ放送網株式会社の藤井 彩人さんです。

お二人の簡単なプロフィールをご紹介させていただきます。須田さんは株式会社博報堂でアートディレクター・CMプラナーを経て、2005年からインタラクティブ領域へ。2014年に同社内で新しい広告の発明を目指す自主実験チーム「スダラボ?」を発足。同ラボで発明された「田んぼアート」を活用した「RICE CODE」でCannes Lions 2014【アウトドア部門】【PR部門】Goldを受賞されました。去年からアト゛ミューシ゛アム東京にて開催されている 「20 世紀広告研究会」のプロデュースも務めていらっしゃいます。藤井さんは日本テレヒ゛のチーフアートテ゛ィレクターとして、SENSORS ゛をはじめ数多くのハ゛ラエティ番組なと゛のタイトルデザインやCG制作を手掛けていらっしゃいます。近年て゛は、VR・AR・MR なと゛の分野にも挑戦されており、同社内のMRフ゜ロシ゛ェクトのリーダーを務めていらっしゃいます。よろしくお願いします。

一同:よろしくお願いします。

草野:MCのお二人は、ゲストの方々と面識はありますか?

落合:須田さんと齋藤さんと三人で仕事をする機会が多いですね。

齋藤:須田さんが広告賞の委員長をやっていらっしゃるので...。

須田和博氏(以下、須田):お世話になってます。

齋藤:もちろん藤井さんにも、いつもお世話になってます。

草野:SENSORSのロゴは、藤井さんが作られたんですよね。

藤井彩人氏(以下、藤井):そうですね。番組開始時から変わっていないので、もう4年半以上使ってもらっています。

草野:あのロゴ、すごくかっこいいですよね。

藤井:ありがとうございます。

草野:さて、本日のテーマ「MR」ですが、博報堂、博報堂DYメディアパートナーズと日本テレビの3社で共同開発しているMRコンテンツがあると伺っています。こちらについて、詳しくお話を聞いていきたいと思います。まず、MRとはどのような技術なのでしょうか。藤井さん、解説をお願いします。

藤井:MRとは「Mixed Reality」の略語で、日本語に訳すと「複合現実」です。サングラス型のスマートグラスなどを装着して楽しむもので、現実世界に3DCGを重ねて楽しむことができるんです。最近では3Dスキャンをした人物も投影できるようになり、今後活用の幅が広がると期待されている技術です。

草野:将来的に背景は現実世界だけど、CGで作られた人物と会話ができるようになったりするんでしょうか。

藤井:MRの最終ゴールは、まさに現実と仮想の相互関係をつくることです。そこにはまだまだ至ってはいませんが、今後挑戦していきたいです。

齋藤:VRとMRの大きな違いはどのようなところにあるのでしょうか?

藤井:VRはコンテンツの背景も仮想世界なのですが、MRはあくまでも現実世界と仮想世界がミックスされたものです。そこが一番の違いですね。

須田:1年くらい前に、京都の建仁寺でHoloLensを使って国宝の「風神雷神図屏風」を見るプロジェクトを実施したんですよ。実際に京都に足を運び、「風神雷神図屏風」を前にして3Dを出現させるという点が、100%仮想空間を楽しむVRとの違いだと思います。

草野:落合さんは、MRでしかできないことってなんだと思いますか?

落合:現実の解像度って、ナチュラルコンピテーションがかかっているんですよ。つまり、光が空中に飛んで物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間は、コンピューターで正確に計算できます。だから、仮想空間に何かを出現させるよりも簡単なんです。肉眼を通して見る映像は、識別可能な信号の最小値と最大値の比率が非常に高いので、その比率に合わせてCGを出現させるといいかと思いますね。

草野:MRは「複合現実」と言われていますが、文字通り現実と仮想がミックスされる感覚は生まれるのでしょうか?

齋藤:現実世界の座標に合わせて仮想コンテンツが表示されるので、感じられると思いますよ。

藤井:VRとMRそれぞれにいいところがあるので、用途に応じて使い分けることが大事だと思いますね。どうしても「どっちが優れているのか」といった議論に発展しがちですが...。VRは「没入」がキーワードになっていますが、MRは没入よりも現実世界を「拡張」するといった役割の方が大きいんですよね。

草野:同時に複数のコンテンツを見ることができるんですね。

藤井:そうですね。

須田:MR技術の面白いところは「施工が必要」となることです。現実世界にCGを重ねるから、現実側での建て込みが必要になってくるんです。そこが今までのCG製作とは大きく違う点ですね。

齋藤:情報補完もできますしね。そういえば昔、拡張現実ソフトウェアの「セカイカメラ」ってありましたよね。あれもMRではありましたが、デバイスがiPhoneだったので技術に追いつけなかったんです。その後にスマートグラスの「Google Glass」が出てきて。MRはどんどん進化しているんですよね。

1/3ページ

最終更新:3/7(木) 16:28
SENSORS

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事