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【東京から伝えたい】「震災が起きたら、避難所」だけではない「マンションにとどまる」選択、問題はトイレ

3/8(金) 16:25配信

withnews

 人口の約7割がマンションなどの共同住宅に住む東京。耐震・耐火化が進んでいるマンションは、震災が起きても倒壊や延焼のおそれが少ないですが、「災害があったら、避難所に行けばいい」という意識は根強いです。一方、都市部では避難所の数が限られていることや、被災後に体調を崩さないためにも、自宅に住み続けることが重要視されてきています。専門家は「生活パターンを維持できるような備えが大事」と指摘します。(朝日新聞記者・丹治翔)

【画像】災害への備えの必需品「東京防災」、10の防災アクション

「きれいな防災訓練」をやめ、見えた課題

 東京都中央区の北東に位置し、隅田川に清洲橋がかかる日本橋中洲地区。2月にあった防災訓練で「異変」が起きました。これまで定刻で会場に集まっていたスタイルをやめ、訓練開始後の45分間をマンションごとの安否確認などにあてたのです。

 「ただ集まって、消火訓練や炊き出しをするだけの『きれいな防災訓練』はやめました」。訓練の中心を担った中洲町会の高木亮さん(43)は力を込めます。

 人口約2500人の中洲地区は、マンションに住んでいる人が大半です。中央区の地域防災計画は、10階建て以上の高層マンションであれば生活の自由度やプライバシーの問題などから、震災時でも「自宅での生活を維持することが最も好ましい」としています。高層住宅は構造的に耐震上の安全性は確保されているという考え方です。

 「避難所の収容人数も限られているので、この地区は自宅で生活を続けることが基本になる。安否確認も含め、自分たちで防災を考えてもらうきっかけにしたかった」と高木さん。訓練内容の変化は、今まで漠然としていた「当事者意識の低さ」を浮き彫りにしました。

 13階建てマンションの管理組合理事長(51)は、ポスターを掲示するなど訓練の参加を呼びかけました。しかし、集まったのは数人の組合理事だけ。「マンションの中でほとんど関心がなかった」と振り返ります。

 従来の訓練より増えたとはいえ、当日の参加者は約100人。30以上あるマンション単位でみると、約3分の1は不参加でした。

 それでも、高木さんは前向きです。「マンションごとに活動の濃淡が分かったし、参加した人たちは何かしらの問題意識が生まれたと思う。町会ができることは限られているが、いざという時に助け合える地区にしたい」

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最終更新:3/8(金) 17:42
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