ここから本文です

亡くなった「エビ中」松野莉奈さんへ ファンが卒業展で春夏コレクション

3/8(金) 6:48配信

BuzzFeed Japan

京都・瓜生山にある京都造形芸術大学で2月9日から17日まで開催された卒業展。その一角にアイドルの名前をつけた展示があった。「松野莉奈」。アイドルグループ「私立恵比寿中学」、通称エビ中の出席番号9番。愛称は“りななん“。黒髪のロングヘアが印象的で、ファッションモデルでもあった。そして2017年2月8日、致死性不整脈のために18歳の若さで亡くなっている。
【BuzzFeed Japan / 徳重辰典】

展示を決めた影山竣さんは、松野さんのファン。トップス10点、アウター7点、ボトムス8点、ワンピース2点の合計27点。すべて松井さんのイメージに合わせて作られた、2019年の春夏コレクションだ。

影山さんは2013年からエビ中のファン。当時はまだ高校生で、金銭的にライブやイベントには行けず、本格的にライブへと足を向けるようになったのは2016年からだったという。

「最初は安本彩花さん推しだったのですが、ファッション誌『装苑』に松野莉奈さんが出るようになってから、松野さん推しになりました」

影山さんが服飾を学ぶきっかけもアイドルだった。

2014年、エビ中のお姉さん分にあたるアイドルグループ『ももいろクローバーZ』の国立競技場でのライブ。ある感情が湧いた。

「消費者としてアイドルと関わるのに嫌気がさし、服飾を通してアイドルと関わっていきたいと思いました。後々、松野莉奈さんと仕事したいという夢もありました」

松野さんへの思い

それだけに2017年の松野さんの突然の訃報は、影山さんに大きな衝撃と痛みを与えた。

「最初に訃報を知った時は『死』という単語があまりにも想像だにしなかったためドッキリだと思いました。なぜ、りななんじゃなければいけなかったのか。考えてしまうと結論がすべて『りななんと同じ時間を共有できていないんだ。今』という答えに辿り着いてしまうので、現実からなるべく逃げていました」

「このままなら、エビ中もアイドルも好きでいられないのではないか。なら、なんでファッションやっているんだろう、と色々絶望感でいっぱいでした」

実は今回の卒業展の1年前にも、エビ中をテーマにしたファッションショーを京都府庁で行っており、松野さんに関する展示は2年連続だ。

喪失感など松野さんへの様々な思いを抽出し、可視化させることで向き合う。影山さんの言葉を借りれば、そこには「未練からの離脱」という思いがあった。

「1年前のエビ中をコンセプトにした時は『8人のエビ中が見たい』という未練からの離脱。そして今年、松野莉奈さんをコンセプトにしたのは『もう一度彼女に会いたい』というからの離脱です」

昨年のコレクションには、「エビ中=亡くなった子がいる」ではなく、アイドルグループとしての良さを、服を通して伝えたいという思いがあった。そして今年のコレクションには松野さんの愛おしさを反映させた。

松野さんのエビ中でのキャッチフレーズだった「見た目は大人、中身は子供」。影山さんが一番の魅力と考える部分が伝わる服にした。

その一方、服のデザインであることにもこだわった。

「過度なデザインにすると本人のイメージに合わない。また販売はしてはいないのですが、お客様の普段持っているアイテムにも合いやすく、松野莉奈の愛くるしさを共有できるように、細かな調整をしてきました」

影山さんのこだわりは随所に見られる。例えばタイトスカート。

「普通に直立している状態の綺麗なストレートと脚の可動域を広げたことによって、無邪気な動きも可能にしている部分など、素材とシルエットで彼女の魅力を表現しています」

1/2ページ

最終更新:3/8(金) 6:48
BuzzFeed Japan

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事