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「娘を返して」虫歯治療後に2歳児死亡 元院長から一度も謝罪なく…母親の悲しみ

3/8(金) 10:20配信

西日本新聞

 福岡県春日市の小児歯科医院で2017年7月、虫歯治療を受けた同市の山口叶愛(のあ)ちゃん=当時(2)=がその後死亡した事故があった。福岡県警は7日、死亡は治療後の注意義務を怠ったためとして、業務上過失致死の疑いで、当時院長だった男性(53)を福岡地検に書類送検した。

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 書類送検容疑は17年7月1日夕、叶愛ちゃんが医院での治療後、体がけいれんするなど容体が急変したにもかかわらず、適切な救命措置をせずに同3日に死亡させた疑い。死因は麻酔薬の急性リドカイン中毒による低酸素脳症だった。認否は明らかにしていないが、「(急変は)治療による疲労と判断した」と話しているという。

 県警によると、治療は別の歯科医が局所麻酔薬を数カ所に注射して約1時間実施し、麻酔の量などに問題はなかった。元院長は治療後、両親から叶愛ちゃんの異変を訴えられており、治療内容から麻酔による中毒症状を予測し、酸素マスクを装着するなどの適切な措置をしていれば事故は防げた、と判断した。

 医院の代理人弁護士は「元院長が様子を見た際は、救命措置が必要とは判断できなかった」と主張している。医院は昨年8月に閉院した。

 歯科治療で麻酔を使った子どもの容体が急変し、死亡する事故は、過去に福岡市などでも起きている。

「異変何度も訴えたのに」 女児の母親、悲しみ深く

 「何度も娘の異変を訴えたのに元院長は対応してくれなかった。まさか歯科医院の治療後に死亡するなんて納得できない」-。山口叶愛ちゃんの母親(26)は、身近な歯科治療で突然娘を失った悲しみを語った。

 歌や踊りが大好きだった叶愛ちゃん。17年5月、目立った虫歯などはなかったが、虫歯予防でフッ素を塗るために元院長の歯科医院に通い始めた。インターネットで検索すると「評判がいい」とあり、決めた。

 事故が起きた7月1日は、初めて麻酔薬を使う治療をした。十分な説明もなく、約1時間の治療中、処置室からは叶愛ちゃんの泣き声が度々聞こえてきた。

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最終更新:3/8(金) 14:09
西日本新聞

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