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福岡・築上町課長を官製談合容疑で逮捕 九電工所長も入札妨害容疑で

3/9(土) 22:27配信

毎日新聞

 福岡県築上町が発注した約8億円のし尿処理施設建設工事の入札を巡り、参加条件を厳しくするなどして特定の業者に便宜を図ったとして、県警は9日、町環境課長の長部(ながべ)仁志容疑者(54)=同町=を官製談合防止法違反の疑いで、工事を受注した電気設備工事大手「九電工」(福岡市南区)の行橋営業所長、小田伸幸容疑者(56)=同県行橋市=を公契約関係競売入札妨害容疑で、それぞれ逮捕した。

 捜査関係者によると、問題の工事には十数社が関心を示していたが、参加条件が厳しくなったため諦める会社が相次ぎ、2社しか応札しなかった。この結果、競争が働かなくなり、九電工が落札できたとみて調べる。

 長部容疑者の逮捕容疑は2016年5~7月、過去の工事実績などで決める参加条件を厳しくするよう提案して町長に決定させた上、小田容疑者にもう1社の名前を漏らしたとしている。県警は2人の認否は明らかにしていない。

 同年7月19日にあった条件付き一般競争入札で、九電工は最低制限価格を約3700万円上回る約8億円で落札した。施設は17年10月に完成した。県警は長部容疑者が小田容疑者側からの働きかけで参加条件を厳しくしたとみている。

 2人を仲介したのは、築上町が参加する京築広域圏消防本部(同県豊前市)の職員採用を巡り賄賂を受け取ったなどとして、昨年12月にあっせん収賄罪などで起訴された同町の町議(当時62歳)とされる。町議は保釈中の今年1月に病死し、公訴棄却となった。

 九電工は九州電力のグループ企業で、福岡市に本社を置く主要企業でつくる親睦団体「七社会」の一つ。ホームページによると、従業員数は約6600人。逮捕を受け、九電工は「社員が逮捕されたことは大変遺憾で申し訳ない。警察の捜査に全面的に協力したい」とコメントした。【平塚雄太】

 ◇築上町長「こういうことをする職員でない」

 現役の課長が逮捕されたことを受け、町役場で取材に応じた築上町の新川久三(あらかわ・ひさみ)町長は「寝耳に水」と繰り返した。長部仁志容疑者については「勤務態度も仕事も本当に真面目。こういうことをする職員とは思っていない」と強調。「処遇などを含め捜査の推移を見守りたい」としつつ「より一層、職員の法令順守や綱紀粛正を図っていく」と述べた。

 問題となったし尿処理施設は、新川町長が進める、し尿を液肥化して農業に活用する「バイオマスタウン構想」の一環で建設した。町長は「事件の舞台となってしまったが、構想が間違っていたわけではない。今後も進めていく」と語った。【井上卓也、津島史人】

最終更新:3/9(土) 23:57
毎日新聞

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