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JFEスチールが自然災害対策に50億円

3/9(土) 20:30配信

産経新聞

 JFEホールディングス(HD)傘下のJFEスチールは9日、製鉄所の災害対策を強化するため約50億円を投じる方針を固めた。排水設備を増強するなどして災害時も稼働を維持し、供給責任が果たされない事態を防ぐ。昨年7月の西日本豪雨で一時操業がストップし、業績にも悪影響が及んだことから最優先課題として取り組む。11日には東日本大震災の発生から丸8年を迎える。各社の防災意識が改めて高まりそうだ。

 JFEスチールは西日本豪雨の際、西日本製鉄所の倉敷地区(岡山県倉敷市)と福山地区(広島県福山市)が冠水。主要設備の損傷はなかったものの、所内の物流などに影響が出て操業を一時的に止めた。排水処理能力は過去の瀬戸内地方の降水量をベースに設定していたが、想定を上回る量の雨が降ったという。

 このため「異常気象がいつでも起こりうる前提で対策に取り組む」(柿木厚司社長)として、まず倉敷と福山の両地区で豪雨対策を推進。排水処理設備の増強に加えて、集水井戸の掘削やポンプ車導入、雨水流入を防ぐ壁の設置も進める。その後は西日本の対策を踏まえつつ、降水量が多く、排水能力が高めに設定されている東日本製鉄所についても対策を検討する。

 鉄鋼各社は、2020年東京五輪もあり旺盛な需要に恵まれる一方、昨年から今年にかけ西日本豪雨や台風、北海道地震など相次ぐ災害の影響を受けたほか、不具合などの操業トラブルも頻発。JFEスチールは倉敷の第2高炉と東日本製鉄所千葉地区(千葉市)の第6高炉が一時停止し、やはりトラブルのあった福山の第4高炉は今も通常操業を回復していない。親会社のJFEHDは、平成31年3月期の粗鋼生産量が昨年7月末時点の予想に比べ200万トン下回るほか、連結経常利益は400億円押し下げられる見通しだ。

 鉄鋼大手では、新日鉄住金と神戸製鋼所も災害やトラブルの影響を少なからず受けた。もともと設備老朽化やベテラン技術者の大量退職による能力低下が指摘されてきた中、国内製鉄所の再強化は業界共通の課題となっている。

最終更新:3/9(土) 23:09
産経新聞

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