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経済悪化やファーウェイ問題、習主席試練の全人代 中国

3/9(土) 10:03配信

The Telegraph

【記者:Sophia Yan】
 中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は昨年、形ばかりの全国人民代表大会(National People's Congress、全人代、国会に相当)で主導権を握り、国家主席の任期上限を撤廃して権力を強固なものとし、いかに中国が巨大な力をもっているかということを大げさな言葉でまくしたてた。海外からは、習主席の勢いは誰にも止められないように見えた。

 今年も習氏は全人代の会場である人民大会堂(Great Hall of the People)に登場したが、同氏を取り巻く環境は昨年に比べ厳しさを増している。米国との長引く貿易戦争の影響で、経済の伸び率はほぼ30年ぶりの低水準を記録した。

 また、中国の国際的影響力を強化するため掲げているインフラ開発構想「一帯一路(One Belt One Road)」に対する反発の兆候も出始めている。パートナーとなっている国々が、債務上の懸念から、合意済みのプロジェクトを中止したり、再検討をしたりしているのだ。

 一方、外国政府は、諜報(ちょうほう)活動から人権に至るまで、あらゆる問題で中国政府に圧力をかけている。

 全人代は、大げさな威厳が目につくが驚くようなことは起こらない政治劇場で、今年もまた、非常に綿密に練られた台本が用意されているのだろう。だが、習氏はこの機会を使い、適切なメッセージを送って国民を安心させる必要がある。

「現在、多くの懸念材料がある。このため今年は、不透明という台風の目の中にいるような静けさが漂うだろう」と、英ロンドン大学キングスカレッジ(King's College London)の中国研究専門家ケリー・ブラウン(Kerry Brown)氏は言う。

 全人代で可決されるとみられている法案の一つに外商投資法があり、技術移転の強要や政府の「介入」禁止が盛り込まれている。

 水面下では、特に経済成長の後押しや貿易戦争への対処において、期待をうまく抑えられるかが主題となる。

 米調査会社ハイ・フリークエンシー・エコノミクス(High Frequency Economics)のチーフ国際エコノミスト、カール・ワインバーグ(Carl Weinberg)氏は、「補助金制度をやめるよう求める米国の要求に1ミリも譲歩しないよう、共産党の強硬派が習氏に強く迫るという可能性は否めない」と指摘した。

 補助金制度は、国内成長を刺激する「中国製造2025(Made in China 2025)」構想を下支えするものだが、輸入代替計画との批判もある。起業家たちも、習氏の経済改革手法を不満に思っている。機敏に対処する民間企業よりも、非効率的で無駄の多い国有企業ばかりを優遇しているように感じているためだ。

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最終更新:3/9(土) 10:03
The Telegraph

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