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フランス語学術団体、ついに職業名詞の「女性形」受け入れ ミソジニー批判に直面

3/9(土) 13:28配信

The Telegraph

【記者:Henry Samuel】
 仏国立学術団体でフランス語保護団体として知られる「アカデミー・フランセーズ(Academie Francaise)」が言語面での「改革」に乗り出し、職業を表す単語の女性形をついに受け入れることを発表した。

 アカデミー・フランセーズは、「フランス語を修正し、フランス語の規則を作り、フランス語を純粋で誰にとっても分かりやすいものとする」ために1635年に創立された。「不死身の者たち」と呼ばれ、神聖化されるようになった同団体会員は長きにわたり、「professeur(教師)」や「ingenieur(エンジニア)」といった単語を「professeure」や「ingenieure」などの女性形にすることを拒否。こうした職業を示す男性名詞に「e」を付けて女性名詞化してしまうと、「フランス語の精神に反する提議を招く」と反発してきた。

 その大義があやふやになったように思われたのは、エレーヌ・カレールダンコース(Helene Carrere d’Encausse)氏が1999年にアカデミー初の女性終身幹事長となったときだ。同氏は、男性名詞の「終身幹事長(le secretaire perpetuel)」に女性の敬称「マダム(Madame)」を付けて呼んでほしいと発表。同氏はまた、大臣の女性形「la ministre」にも反対し、男性形の名詞に「マダム」を付ける方がいいとした。その主張は、職業に性別は関係ないというものだった。

 しかしアカデミーはここのところ、言語的に性差別的だとの批判に直面してきた。そして2月、アカデミーの辞典全体を初めてオンラインで公開した際に方針を転換した。

 週刊紙レクスプレス(L'Express)によるとアカデミーは2月28日、職業を表す単語について、長年使用されてきた男性形に併せ、「女性名詞化」した形も含める意向を発表する予定だと報じた。

 著名な言語学者で、この問題をテーマにした「妊娠した大臣(原題:Le Ministre est enceinte)」(「大臣」は男性名詞を使用)という著作もあるベルナール・セルキリーニ(Bernard Cerquiglini)氏は、アカデミー・フランセーズが立場を「維持できなく」なっていると話した。

 同氏の指摘によれば、アカデミーの辞典にも、職業を示す女性形の単語はいくつか掲載されており、古いものでは1932年にさかのぼる。「aviatrice(飛行士)」や「avocate(弁護士)」など、それほど(女性形による意味の差が)「顕著」ではないと思われるものばかりだが、同氏によると最も顕著な例は「ambassadrice(大使の女性形)」で、これは現在でも「大使の妻」という意味になってしまう。

 ニュース専門テレビ局BFM TVに対し同氏は次のように見解を述べている。「アカデミーの大部分のメンバーは、自分たちの立場にこだわり続けることはもはやできないことに気付いたのではないだろうか。その立場とは、実際のところ、ミソジニー(女性への嫌悪や軽視)というべきものだ」【翻訳編集】AFPBB News

「テレグラフ」とは: 1855年に創刊された「デーリー・テレグラフ」は英国を代表する朝刊紙で、1994年にはそのオンライン版「テレグラフ」を立ち上げました。 UK Consumer Website of the Year」、「Digital Publisher of the Year」、「National Newspaper of the Year」、「Columnist of the Year」など、多くの受賞歴があります。

最終更新:3/12(火) 17:35
The Telegraph

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