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【知ってる?】『猿の惑星』で原作に最も近いのは「ティム・バートン監督版」

3/10(日) 6:31配信

dmenu映画

衝撃のラストシーンで、SF映画史に語り継がれている『猿の惑星』(1968年)。1970年代にかけて計5本のシリーズになり、2011年以降に作られた猿の視点で人類との戦いを描いた三部作もヒットしました。

ところで、皆さんご存知でしたでしょうか? 実は2001年に公開されたティム・バートン監督版こそが、最も原作小説の精神を受け継いだ作品なのです。

※各作品のラスト(オチ)に触れている部分があります。映画未見の方はご覚悟願います。

原作小説にタイムスリップは存在しない

1968年に公開された、フランクリン・J・シャフナー監督版の『猿の惑星』の大まかなストーリーはこんな感じです。

長い宇宙航行の果てに、3人の宇宙飛行士がたどり着いたのは、知性をもった猿たちが人間を支配する“猿の惑星”。猿たちに捕らえられた主人公テイラー(チャールトン・ヘストン)は協力者の助けを借りて脱出に成功。猿たちが“禁断地帯”とよんでいる場所に向かいますが、そこで彼は変わり果てた自由の女神像を発見して呆然とします。そう、猿の惑星とは、未来の地球の姿なのでした……。

この衝撃のラストの効果もあって、『猿の惑星』は大ヒット。SF映画の名作と呼ばれるようになりました。その後にシリーズ化されると、『続・猿の惑星』(1970年)、『新・猿の惑星』(1971年)、『猿の惑星・征服』(1972年)、『最後の猿の惑星』(1973年)が公開されています。このシリーズでは、タイムスリップによって過去(1973年のアメリカ)に飛ばされた猿の夫婦が遺した子どもによって、地球の支配権が人間から猿へと移ります。

しかし、原作小説の設定は違います。主人公が降り立った“猿の惑星”は、地球から300光年離れたペテルギウスであり、地球ではないのです。猿たちに危険視された主人公は、命からがら脱出に成功。周回軌道上に待機していた宇宙船で、地球に帰還するのです。この小説『猿の惑星』の作者はピエ-ル・ブール。映画『戦場にかける橋』(1957年)の原作者でもあるフランス人です。

彼は第2次世界大戦で日本軍に捕らえられ、親独のヴィシー政権軍に引き渡されて捕虜になりました。この経験が『戦場にかける橋』に活かされているのですが、同時に戦前はゴム園の監督者として多くの現地人を使役していた自分が、逆に虜囚になってしまったという“立場の逆転”についても考えさせられる結果になり、それが『猿の惑星』のヒントになったといわれています。

ほんのちょっとしたことで立場は入れ替わるかもしれない……。つまり、ブールはSFとしてこの小説を書いたのではなく、『ガリヴァー旅行記』のような寓話だと考えていたのです。

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最終更新:3/10(日) 6:31
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