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なぜ、フェイクニュースは拡散するのか? 科学者が見た「装置としてのSNS」

3/10(日) 19:14配信

BuzzFeed Japan

なぜ、偽情報や誤情報は拡散していくのかーー?NPO団体「ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)」が3月10日、「フェイクニュース現象の本質は何か」と題したシンポジウムを開いた。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

シンポジウムには、『フェイクニュースを科学する』の著書を持つ、名古屋大大学院講師・笹原和俊氏(計算社会科学)が登壇。

笹原氏は、アメリカでの研究結果を紹介しながら、「フェイクニュースは時に人の命を奪うこともあり、看過できないもの」「問題はSNSが情報拡散のための装置として機能してしまうことにあります」と、警鐘を鳴らした。

フェイクニュースにある「グラデーション」

そもそも、フェイクニュース問題が注目されるようになったのは、2016年のアメリカ大統領選だった。

BuzzFeed Newsの調査では、大統領選の最後の3カ月間、Facebook上では選挙に関して、主要メディアのニュースよりも、フェイクニュースの方が高いエンゲージメントを獲得していたことが判明している。

笹原氏はこの調査結果に触れながら「トランプ大統領を誕生させることに寄与したかは意見が分かれる一方で、少なくとも社会を混乱させた」と指摘した。

笹原氏は、フェイクニュースを程度に応じて分類する「グラデーション」を紹介。フェイクニュース対策に取り組む「ファースト・ドラフト・ニュース」のクレア・ウォードル氏が示した7つの類型だ。

風刺・パロディ:害を与える意図はないが、騙される可能性がある
誤った関連付け:見出し、画像、キャプションなどが内容と合っていない
ミスリーディング:誤解を与えるような情報の使い方
偽の文脈:正しい内容が間違った文脈で使われる
偽装:正しい情報源が偽装されている
操作:騙す目的で情報や画像が操作されている
捏造:騙したり害を与えるために作られた100%嘘の内容

拡散の8割を担うのは…?

笹原氏は「フェイクニュースという言葉で全てまとめるべきではない」としながら、アメリカの先行研究を紹介した。

特筆すべきはフェイクニュースの拡散速度だ。偽情報や誤情報は、そうでない情報と比べ、「速く、遠くまで伝わる性質」があることもわかっているという。拡散を加速させるのは「扇情的」な言葉だ。

「単に道徳的な言葉よりも、道徳感情的な言葉であるほうが、その情報が拡散されやすい傾向にあります。扇情的であればあるほど、感情が伝染するということです」

また、その共有の80%を全体の0.1%が担っているという研究結果もあるという。

「中でも高齢者、極右が偽ニュースを共有しやすいという結果が出ている。たくさん拡散している一方で、加担者はごく少数なのかもしれません」

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最終更新:3/10(日) 19:14
BuzzFeed Japan

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