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不屈の福士加代子、転倒棄権から中41日5連続五輪へMGC出場権獲得「イェーイ」

3/11(月) 6:07配信

スポーツ報知

◆名古屋ウィメンズマラソン(10日、愛知・ナゴヤドーム発着=42・195キロ)

 日本陸上界初の5大会連続五輪を目指す福士加代子(36)=ワコール=が、2時間24分9秒で日本人2番手の8位。20年東京五輪とほぼ同じコースで行われる五輪代表選考会のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ、9月15日)出場権を獲得した。H・ジョハネス(ナミビア)が2時間22分25秒で優勝。シリーズ最終戦で5人が切符を得て、計14人がMGCに名を連ねた。(くもり、気温11・2度、湿度61・4%、南南東の風0・9メートル=スタート時)

 転倒とは縁遠い力強い足取りだった。ゴールへ近付くにつれ、福士には笑顔が広がった。「やっと取ったわー。イェーイ」。日本人2番手の8位でゴールに飛び込むと、自分をたたえるかのように手をたたいてガッツポーズ。直後には永山忠幸監督(59)と固い握手を交わして喜びをかみしめた。

 20キロ付近からの雨は、体が温まった後だったため影響もほとんどなく、30キロまではペースメーカーが設定通りに仕事をこなした。「30キロの給水で(レースが)動くかなと思ったけど、想定以上に(ペースが)上がったので対応できなかった」。40・8キロで岩出玲亜(24)=アンダーアーマー=にかわされ日本人トップは譲ったが、安定したリズムで粘りきった。

 中41日の強行策がプラスに働いた。指揮官は「けがの功名というか、いい方向に転がった」と目を細める。リオ五輪以来、約2年半ぶりのフルマラソンとなった1月の大阪国際は緊張で動きが硬くなり、転倒の影響で途中棄権した。2008年の初マラソンからの映像を見直し「今の方がいい走り」と自信を植え付けた。「今日は後半の感覚はすごく良かった。(前回)転んだおかげかな」とジョークも出た。

 背水の思いで臨んでいた。現地で声援を送った父・正幸さん(69)は「大阪国際では『これがダメなら最後になるかもしれないから来てほしい』と連絡が来て、応援に行きました。棄権したときはショックで…」と明かした。だが、今レースの前は一切連絡がなかった。「心配はしていませんでした。きっと調子が良いんだろうって」。便りがないのは自信の表れ。逆境をはねのける娘のパワーを信じていた。

 5大会連続の五輪出場には9月のMGCで2位以内に入る必要がある。「MGCへの収穫? もうね、収穫祭ですよ」。天真らんまんな福士節も、爆走も止まりそうにない。(太田 涼)

 ◆福士 加代子(ふくし・かよこ)1982年3月25日、青森・板柳町生まれ。36歳。五所川原工で陸上を始め、3年時に全国高校総体初出場。2000年にワコール入社。04年アテネ大会で五輪初出場し、16年リオ大会まで4大会連続出場。3000メートル8分44秒40、5000メートル14分53秒22は日本記録。マラソンの自己記録は16年1月の大阪国際女子での2時間22分17秒。160センチ、46キロ。

最終更新:3/11(月) 15:40
スポーツ報知

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